【縄文道通信第35号】天職ガイド 縄文人の職の現代へのつながり 縄文道 ― 武士道 ― 未来道(後)
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(一社)縄文道研究所
NetIBNewsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第35号の記事を紹介。
現代に生きる和の建築
住生活はどうであろうか。縄文の家は竪穴式住居と言われ、地面を少し堀り、そこに石を敷き堅牢な柱を立てて、藁葺と萱で外装と屋根をつくる、すべて木造の建物である。戦争前には多くの民家があったが、民家は縄文の竪穴式住居の延長と思われる。日本最大の青森県の三内丸山遺跡の巨大な六本柱の建物を何度か訪れてみたが、現代の建築技術者が驚嘆するほど、高い技術を保持しないと建築できないとのガイドの説明であった。
高さが旧丸ビルと同じで、堅牢なる巨木の柱がびくともしない工法で建てられたという。この技法は紀元前5,500~4,000年前に確立されていたのだ。恐らく弥生時代、古墳時代を経て多くの神社仏閣を建設した宮大工に引き継がれた。そして代々木の新国立競技場を設計した世界的建築家・隈研吾氏の伝統にも木材を使用した、日本の建築の伝統が継承されている。数年前に日本の和の建築展覧会で、隈氏のメッセージのなかに「縄文時代以来営々と築かれてきた木材を使った和の伝統を現代に活かす」という言葉が、この競技場に活かされていると思う。
新縄文人の出現と啓育が期待される
新型コロナウイルス騒動で、テレワークが普及し、都会から地方への人の動きも活発化しようとしている。
さらに地方再生で第一次産業が見直されつつある。地方の疲弊し高齢者しか居なくなった地方の村を再生しようと実行に移す若者も出てきた。これは農業、林業、漁業といった、日本の第1次産業を根底から見直しデジタル技術を使用しての新たな活性化でもある。
農林水産業は、縄文時代から営々と営まれてきた日本人の基本的な仕事でもあった。森林を守り、農地を守り、漁場を守る人々の仕事は、天職でもある。筆者の知る若い企業家は、衰退する日本の約15,000件の新聞配送所を、地域に住む高齢者が終活を生き生きと生き抜くことができる、総合人生憩いの場所に転換するプロジェクトに取り組む人財もいる。彼も古いものを新しいものに変える天職人財でもある。
今や日本人は世界に誇り得る縄文文化を現代と将来に活かすことを天職と考える人財が、台頭しつつある歴史的ターニングポイントと思われる。それは縄文道と武士道を結合してデジタルの技術を融合した新縄文人であろう。新縄文人の出現と彼らの啓育が期待される。
(了)
Copyright Jomondo Kenkyujo
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