野河内渓谷は福岡市で唯一の大型渓谷だ。脊振山系の井原山(標高983m)直下にある水無谷から流れる水と水無鍾乳洞の湧水が合流してできた水無川は、野河内渓谷へと続いている。水無川の水流は一度地下へ潜って再び湧き出し、野河内渓谷へ流れこんでいるのだ。
野河内渓谷は、佐賀市との境にある三瀬峠に向かう国道263号線の第1カーブの奥に位置する。石灰岩と片岩(変成岩の一種)の境界に沿ってできた渓谷であるため、他の谷に比べて直線的な地形になっていることが特徴だ。
2013年以降、早良区長、糸島市の伊都遊歩道クラブ、福岡市水源林ボランティアの会などと協力して、野河内渓谷にある全長800mの遊歩道を整備してきた。遊歩道の鎖や支柱を修理し、古いブリキの看板を外して、木製看板を取り付けた。さらに、渓谷入口にはイラストの案内看板や手づくりの木製地図を設置し、無料駐車場を設けた。遊歩道を整備したおかげで、野河内渓谷を安心して歩けるようになったと感じている。
大小さまざま滝がある野河内渓谷を歩くと、変化に富んだ渓谷の魅力を楽しめる。真夏の渓谷は、冷気が体を冷やしてくれて、まるで「天然のクーラーボックス」のようだ。
糸島市にある水無鍾乳洞に向かうときは、瑞梅寺ダム方面から水無鍾乳洞へと通じる林道を利用できる。鍾乳洞のなかには入れないが、今では駐車場も舗装され、水洗トイレも完備されている。


2020年7月29日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行
▼野河内渓谷の整備については、こちらの記事を参照。
『脊振の自然に魅せられて』福岡市で唯一の渓谷「野河内渓谷」を甦らせよう(1)
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