2024年11月24日( 日 )

【抗ウイルス物質松かさリグニン(3)】エイズウイルスや子宮頸がん発症ウイルス(ヒトパピローマウイルス)に対する効果(前)

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アトピアクリニック院長 稲葉 葉一 氏

 DEVNET INTERNATIONAL ASSOCIATIONより、極めて強い抗ウイルス作用を持つ物質「松かさリグニン」に関する稲葉氏の論考を提供していただいたので、掲載する。


アトピアクリニック院長 稲葉 葉一 氏

 リグニンという物質は、緑茶に含まれるカテキンあるいはブルーベリーに含まれるアントシアニンなどで代表されるポリフェノールの一種で、ほかのポリフェノールに比べて抗ウイルス効果が強いことが特徴です。

 このリグニンは、インフルエンザに効果があることは、【抗ウイルス物質松かさリグニン(2)】インフルエンザに対する驚くべき効果(1)でお伝えしましたが、そのリグニンのなかでも最も抗ウイルス効果をもっているのが、松かさから抽出したリグニンです。松かさから抽出したリグニンは、抗エイズウイルス効果では、カテキン(EGCG)の約100倍の効果()があることがわかりました。

 エイズウイルス(HIV)は、T細胞(CD4陽性リンパ球)に感染して核内に侵入し、T細胞の遺伝機構を利用して増殖し、その後に細胞外に出てほかのT細胞へ感染します。感染したT細胞はその後に死滅するため、免疫に必要なT細胞が徐々になくなり、最終的に免疫不全に陥ります。

 エイズウイルスの対する現在の薬は、ウイルスが増殖したり、細胞に付着して侵入したりする際に使われる3つの酵素を阻害することで、エイズウイルスによって起こる後天性免疫不全にならないための薬であり、エイズウイルスは宿主の体から排除されることはないため、病気そのものが治ることはありません。

 一方で、リグニンの作用機序は非常に単純で、物理的にウイルスを吸着し、そのウイルスが活動できないようにするため、たとえ宿主が感染しても体内で感染の連鎖が起こらなくなるはずです。

 このことをエイズウイルスに当てはめると、T細胞に感染したエイズウイルスがその細胞内で増殖し、その細胞を壊して外に出てきますが、その時点でリグニンが存在するとエイズウイルスはリグニンに吸着され感染力を失うため、感染の連鎖が起こらなくなる可能性が高くなります。

 感染した細胞はエイズウイルスが増殖した後に死滅し、新たな感染が起こらなくなるため、T細胞がこれまで以上に減ることはなくなるため、免疫不全に陥ることは回避できるはずです。最終的にはエイズウイルスが体外から消滅すると想定できますので、治癒が期待できるということです。つまりリグニンは、エイズウイルス感染症を治せる唯一の薬剤(天然成分ですが)かもしれません。

 エイズに関しては、海外での少数例の臨床試験で数人のエイズ患者に松かさリグニンを内服させたところ、ほとんどの人が治癒したという報告を受けています。

(つづく)


参考文献
※抗HIV作用
 HIVによるp24抗原の発現、ならびに逆転写酵素を阻害する。AIDS Res Human Retroviruses 1990;6:205、J Gen Appl Microbiol 1992;38:303)^

(2)-(4)
(3)-(後)

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