【抗ウイルス物質松かさリグニン(3)】エイズウイルスや子宮頸がん発症ウイルス(ヒトパピローマウイルス)に対する効果(後)
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アトピアクリニック院長 稲葉 葉一 氏
DEVNET INTERNATIONAL ASSOCIATIONより、極めて強い抗ウイルス作用を持つ物質「松かさリグニン」に関する稲葉氏の論考を提供していただいたので、掲載する。
松かさリグニンは、子宮頸がんの原因ウイルスであるHPV(ヒトパピローマウイルス)にも効果がある(下記のPatent 1を参照)と筆者は考えています。
その理由は、筆者のクリニックでHPV(2型)によって起こるウイルス性疣贅(ゆうぜい)に対して外用で使ったところ、約50%の治癒率を認めたからです。その結果を踏まえ、同じHPV(16型、18型)で起こる子宮頸がんにも効果がある可能性が高いと考え、研究仲間と一緒に特許を出しました(※Patent 1)。
子宮頸がんは、ウイルスが子宮頚部の偏平上皮細胞の核内に侵入し、そこで自分自身の複製をつくって増殖しますが、その過程で細胞が徐々にがんに近づき、最終的にはがん細胞に変化します。しかしその前段階のCIN 3(Cervical Intraepithelial Neoplasia、子宮頚部上皮内腫瘍)までならば、松かさリグニンで治せるはずだと考えております。
子宮頸がんの一般検診では、HPVが子宮頚部に感染していることやCINのいずれの段階にあるかがわかります。CIN1~2であればまだ問題ありませんが、CIN3は前がん状態と考えられ、ハイリスク患者と認定されます。その認定を受けた患者さんは、非常にナーバスになり、うつ病になってしまったり、その段階で手術をしてしまったりする人もいます。しかし松かさリグニンを使えば、この患者さんたちを救える可能性が高いのです。つまり子宮頸がんは予防可能だと考えております。
しかし、これに対する大規模な臨床試験はまだ行っていないため、近い将来実施したいと考えております。ただし今回DEVNETから供給される松かさリグニンを高濃度配合したサプリメントにより、結果的にこの臨床試験を行うことになるでしょう。良い結果が出ることを心より願っております。
また新潟大学医学部免疫学教室の研究により、リグニンは腸肝免疫の主体であるNK細胞や胸腺外T細胞を増やし、胸腺由来のT細胞(アレルギーなどに関与)の産生を抑制することが明らかにされました。これによりリグニンは、アレルギーや自己免疫疾患などで使用されるステロイドに変わり得ること、また副作用のない新しい抗ガン物質として役立つことなどが期待されています。
その他にもリグニンは血管のなかで一酸化窒素を発生させ血管を開き、その結果、血圧が下がることも確認されています。このようにリグニンは、通常の薬剤のような1対1の関係ではなく、漢方薬に見られる種々の効果が期待できる植物成分なのです。
(了)
参考資料
※Patent 1 ^
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