2024年11月22日( 金 )

新型コロナワクチンの開発に成功したと豪語するプーチン大統領と世界の反応(中)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年9月11日付の記事を紹介する。


 実は、アメリカ政府が後押しし、オックスフォード大学やビル・ゲイツ財団が資金を提供するモデルナ社のワクチンの場合は3万人が参加する臨床試験が最終段階に入っている。

(略)

 一方、ロシアの「スプートニクV」の場合はたった38人での治験である。プーチン大統領の娘が39人目になり、以下に紹介する貿易大臣が40人目となる。いずれにせよ、あまりにも少ない治験データであることは懸念材料であろう。しかし、ロシア保健省では「このワクチンは極めて効果が高く、安全である。人類がCOVID-19との戦いに勝利するうえで、大きな第一歩になるだろう」とプーチン大統領の援護射撃に余念がない。そのうえで、国際社会からの疑問を払拭するためにも、「ワクチンに関するデータを8月末に学術専門誌に公開する」ことを明らかにしていたが、9月になっても公表されていない。

 これでは国際的な不信感は高まるばかりであろう。状況を改善しようということで、ロシアの貿易大臣であるマントゥロフ氏も国内のテレビに登場し、「自分もこのロシア製のワクチンを接種した。初日は少し熱が出たが、3日目には正常に戻った。抗体ができたものと確信している」と安全性と効果の程をPRしている。

 そうした安全性のPR活動の極めつきは北京にあるロシア大使館の動きであろう。同大使館は8月20日に声明を発表した。それによれば、中国の感染症研究の第一人者で、国家衛生健康委員会専門家グループ長を務める鍾南山(チョン・ナンシャン)博士がこのロシア製のワクチンを高く評価し、「ワクチンは安全であり、治験が無事に完了することを期待する」旨を述べたという。

 さらに、鍾博士は「この機会にロシアと中国の専門家がCOVID-19用のワクチンを共同で開発、製造する必要性にも言及した」とのこと。しかも、一連の鍾博士の発言は中国外務省がオンラインで開催した「COVID-19感染症予防対策会議」でなされたものである。

※続きは9月11日のメルマガ版「新型コロナワクチンの開発に成功したと豪語するプーチン大統領と世界の反応(中)」で。


著者:浜田和幸
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