ナンバンギセル(南蛮煙管)は、なるほどこの名をよく付けたものだと感心させられる植物である。植物図鑑によると、イネ科に寄生する。
ナンバンギセルとの最初の出会いは、妻と北九州の平尾台を秋にハイキングした時に、ススキに寄生しているのを見かけたことであった。背丈は15㎝くらいで、「キセル」という名前の通り花の先が曲がっている。キセルに「南蛮」と付けた昔の人の頓智に興味が湧いた。
平尾台の小さな湿原に咲く花の撮影に行ったときにススキ畑に夫婦のように見える2本のナンバンギセルが生えていた。筆者は、ナンバンギセルが脊振山のどこかに生えているはずだと何年も探していたため、「やっと会えた」と小躍りして撮影にとりかかった。ナンバンギセルは撮影中、筆者に「待っていたよ」「撮影してくれてありがとう」と話かけているようだった。

花のどの部分にピントを合わせるか、いつも迷うが、ありのままに撮影できる55mmのレンズと、バックのボケが美しい90mmのレンズを使って撮影した。マクロレンズを使うときはマニュアルでピント合わせをするが、年を取り目が悪くなったためピント合わせに苦労する。
翌年の秋も平尾台を訪れたが、ススキ畑は見事に刈り取られていた。
ナンバンギセルにいつかどこかでまた会えることを期待している。
2020年9月11日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行
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