2024年12月25日( 水 )

トランプ大統領の怒りを買った安倍前首相のキューバ政策(前)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年10月16日付の記事を紹介する。


 アメリカのドナルド・トランプ大統領は安倍晋三前首相より数倍は強(したた)かだった。辞任記者会見直後の安倍首相に通算37回目となる電話を寄越し、「シンゾー、お前は日本の歴史上、最高の首相だ。なぜなら、アメリカ大統領の自分とこれまでにないツーカーの関係を築いたから。本当にお前はグレイト政治家だ!」と労をねぎらった。

 まさに「ほめ殺し」の典型だ。ところが、そんなトランプ流の誉め言葉を真に受け、自分のブログで自慢していたわけで、安倍前首相の人の好さは救いがたい。なぜなら、トランプ大統領は表向き安倍首相を持ち上げてきたが、裏では冷酷なまでに安倍首相を追い詰めていたからだ。

 これまで、いかに多くの側近たちがトランプ大統領の元を去っていったことか。その何人かはボルトン補佐官のように、回想録を出版し、トランプの二枚舌や悪癖を暴露している。しかも、大統領選挙を間近に控え、何と身内である自分の姉や姪からも外からはうかがい知れない人格上の問題を相次いで酷評されているのがトランプである。

(略)

 実のところ、安倍前首相は公明党との連立を通じて政治基盤を安定させたことで、7年8カ月におよぶ最高責任者の立場を維持することができていた。その間、「戦後のアメリカによる押し付け憲法の改正、アベノミクスによる経済の復活、女性の活躍する社会の実現、北朝鮮による拉致問題の解決、ロシアとの間で北方領土問題を解決したうえでの平和条約の締結」などに政治生命を賭けると繰り返し豪語してきたものだ。

 残念ながら、こうした大上段の公約は「いずれも道半ば」と本人は回顧するものの、実際にはどれ1つとして実現できたものはない。自民党の党則を変更し、連続3期9年に延長した総裁の任期がまだ1年残っている。しかも、本心から「政治生命を賭ける」という気概や独自の戦略があるのであれば、「集大成として最後の1年にすべてを投じ、結果を出す」というのが本来の最高指導者の取るべき姿であろう。

 ところが、辞任記者会見でも「次の首相が決まるまでは責任をはたす。その後も1議員として新たな首相を支える」とのこと。実におかしな発言だ。なぜなら、「切羽詰まった状況にはない」ことを自ら明らかにしているのだから。そうなると、今回の辞任劇には表向きの健康問題とは別の理由が隠されていたのでは、と疑って考えざるを得ない。

(略)

 政権交代から1カ月が経った。改めて、安倍首相辞任の隠された背景について考察を加えてみたい。日本のメディアは関心を寄せていないが、アメリカによる安倍政権交代への圧力はすさまじいものがあった。実は、東京に活動拠点を構えるCIAや米海軍の情報収集機関では日本の主要な政治家や官僚の一挙手一投足を24時間監視下に置いており、電話やネットの盗聴など朝飯前である。

※続きは10月16日のメルマガ版「トランプ大統領の怒りを買った安倍前首相のキューバ政策(前編)」で。


著者:浜田和幸
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