2024年11月24日( 日 )

正義を標的にする息苦しい暗黒監視社会

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を紹介する。今回は、「日本学術会議会員の任命拒否された6人の学者は、制定が強行された特定秘密保護法、安保法制、共謀罪に反対し、国会やメディアで発言、反対する会の呼びかけなどの活動が目立った人々であり、『見せしめ効果』を狙ったもの。善人が政府の批判をしただけで、人物破壊工作の標的にされる世の中が形成されている」と訴えた10月19日付の記事を紹介する。


10月28日(水)開催の「政策連合総決起集会&松元ヒロさん公演」について問い合わせをいただいた。
平日夕刻からの開催であるため、通常の勤務をされている方は第1部からの参加が難しい。
第2部だけの参加でも良いのかどうかとの問い合わせだった。
回答は「もちろんOK」。

平日夕刻の設定なので夕刻までお仕事のある方は最初からの参加が難しい。
第2部の松元ヒロさん公演は19時開始の予定。
第1部が若干時間を超過することも考えられるので、第2部は19時以降の開始になる。
第2部だけの参加でも問題はないので、ぜひ申し込みを賜りたく思う。

お申し込み順に座席を確定する方式を採用しているので、ぜひお早目のお申し込みを賜りたい。
会場は地下鉄メトロ新宿御苑駅出口から徒歩5分の場所にある四谷区民ホール
四谷区民センターの9階になる。

フライヤーはこちら
プログラム案はこちら

<第1部>
午後5時30分~午後6時45分
「政策連合で政権交代」決起集会

<第2部>
午後7時~午後8時30分
「松元ヒロさんオンステージ」

閉会あいさつ

のプログラムで開催する。
第1部はオンライン同時開催を予定している。
第2部のオンライン開催はなし。

四谷区民ホールでの集会&公演に参加ご希望の方は、氏名、住所、電話番号を明記の上、
info@alljapan25.com
までメールでご連絡をお願いいたします。

家族、友人、知人にお声掛けの上、ご参加を賜りたい。
松元ヒロさんはテレビに出ないので、知っている方が限られているが、一度ステージをご覧になられた方は、ほぼ間違いなく病みつきになる。

そのヒロさんを追ったドキュメンタリー・テレビ番組が制作された。
タイトルは
テレビで会えない芸人』(制作:KTS鹿児島テレビ)

このテレビ作品が「第29回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品」になった。
このドキュメンタリー作品を紹介したウェブページの冒頭を紹介させていただく。

「密かに注目を集めるお笑い芸人がいる。
テレビに出演することはない。
主戦場は舞台、その公演は満員で、チケットは入手困難だ。

芸人の名は…松元ヒロ、鹿児島生まれの66歳。
“政治”や“社会”を“笑い”で斬るその芸はテレビでは会えない…なぜか。
2019年春から1年間、松元ヒロに故郷のカメラが密着した。

テレビで会えない芸人から今の世の中をのぞいてみる。
その先には“モノいえぬ社会”が浮かび上がってきた」

小見出しに「芸人とテレビ、みえてきた“モノいえぬ社会”」とある。
記事は松元ヒロさんの言葉を紹介する。

「弱者の立場からモノを言いたいんです。
世の中を笑い倒したいんです。
多数派の意見でつくられていく今の世の中、テレビもそう。
だからこそ、小さな声に耳を傾けることに意味があると思うんです」

10月28日、松元ヒロさんが生み出す笑いが四谷区民ホールを覆い尽くすことになる。
ご参加を強くお勧めしたい。

このドキュメンタリー番組を制作した鹿児島テレビ制作部のプロデューサー・四元良隆氏のコメントも併せて紹介しておきたい。

「“不寛容な時代”と言われています。
異質なモノ(意見)を攻撃し、排除する風潮。
この社会を反映するかのように、今のテレビの世界にもその波は押し寄せています。
少しでも、世の中と合わない意見や表現方法をすれば、すぐにバッシングにさらされ、取り除かれていく…。

いつしか“批判されないようにする”ことが最優先になり、コンプライアンスの名の下、この流れは加速する一方です。
結果、何となくモノが言いづらい社会になっているような気がします。

そうしたなか、1人の芸人と出会いました。
テレビではなかなか取り上げない話題をネタにしては“笑い”で不寛容な社会へ問いかけます。

会場は満員、しかし、テレビでは会えません。
“なぜなのか”、故郷のカメラが見続けました。
そして“大切なコト”を教えてもらいました。

テレビで会えない芸人が今の世の中へ贈るプレゼント、この先に、表現の自由、寛容な社会が待っていることを望むばかりです」

前川喜平元文部科学事務次官は「官邸ポリス」から人物破壊工作を受けた。
加計学園事案の「知られざる真実」を暴露したからだ。

国民の利益にはなっても権力の不利益になることを実行すれば攻撃の対象になる。
これが日本の現実。

安倍内閣は警察出身者を重用した。
杉田和博内閣官房副長官
北村滋国家安全保障局長
中村格警察庁次長

警察出身者が官邸の中枢に居座る。
安倍内閣ではこれと並行して経産官僚に官邸を仕切らせていたが、菅義偉新首相は官邸の経産支配を切り崩した。

陰に隠れていた秘密警察に関心が集まるのは必然の結果だ。
日本は急速に超監視社会に移行しつつある。
警察の監視社会ネットワークによって捕捉された情報が人物破壊工作の材料として用いられる。

「出会い系バー」を訪問したことを誰がどのように捕捉したのか。
その情報を大手マスコミに横流しして記事に仕立てる。
すでにこのレベルにまで堕落は進行している。

前川氏は社会の実情を探るために正当に行動していたが、権力はマスメディアの力を駆使して徹底的な「印象操作」を行う。
その前川氏が次官在任中の16年に文化審議会・文化功労者選考分科会の委員候補約10人の名簿を杉田氏に提出した。
1週間後、前川氏は官邸に呼び出され
「2人差し替えろ。好ましからざる人物なので任命するな」
と命令されたと前川氏が証言した。

学術分野の1人は安保法制に反対する学者の会のメンバ――。
杉田氏は「メディアで政権批判をするような者を入れるのは、政府の人間として注意が足りない」と叱責したという。

日本学術会議会員の任命拒否された6人の学者は、安倍内閣が制定を強行した特定秘密保護法、安保法制、共謀罪に反対していた。
この6名以外にも政府法案に反対した学者はいたが、この6人は国会で発言する、反対する会の呼びかけ人になる、メディアで積極的に発言するなどの活動が目立った人たち。

「見せしめ効果」を狙ったものであるといえる。
その「人事権濫用」の中核を担ってきたのが杉田官房副長官であると見られる。

安倍首相を持ち上げる著書を刊行した山口敬之氏に対して準強姦容疑での逮捕状が発布された。
山口氏の帰国に合わせて警視庁高輪署の捜査員が成田空港で山口氏を逮捕するために待機していたところ、警視庁刑事部長・中村格氏の決裁で逮捕状執行が取り止めさせられた。

中村格氏は菅官房長官の秘書官を務めていた人物。
この不祥事が明らかになったにもかかわらず、中村氏は昇格を続け、現在は警察庁次長。
この先は警察庁長官、警視総監への出世が予想されている。

善人が政府の批判をしただけで人物破壊工作の標的にされる。
息が詰まるような世の中が形成されている。
私たちの手で暗黒政治を打破しなければならない。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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