『脊振の自然に魅せられて』レスキューポイント設置に向けて(3)
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ドコモとの携帯電話受信調査
筆者らは4月7日に、ドコモと第1回携帯電話受信調(以下、受信調査)を行うことにした。折しも、新型コロナの非常事態宣言が出される4月8日の前日であった。
レスキューポイントは、すでに立てた道標を利用して設置するため、受信調査は脊振山頂駐車場―鬼ヶ鼻岩―小爪峠間、三瀬峠―金山―小爪峠間の両ルートから縦走路や登山道の道標設置地点で行う。
ドコモが車輌を手配し、同福岡支店、同佐賀支店から計10名、早良区役所1名、脊振の自然を愛する会2名、登山ショップ1名の計4名が参加した。
集合場所は脊振山山頂駐車場と三瀬峠の2カ所で、集合時間は午前8時であったため、筆者は早朝から出発の準備をしていた。ところが妻の持病の心房細動が始まり、体調不良を訴えた。
筆者は参加をあきらめ、参加する社員Tを三瀬峠まで送ることにしていた登山ショップのU社長(以下、U )に午前6時に電話してピンチヒッターをお願いしたところ、 Uは快く引き受けてくれた。当日は店舗が定休日であったことが幸いした。
Uと社員Tを三瀬峠ルート、早良区役所Tと脊振の自然を愛する会の副代表Tを脊振山頂駐車場ルートに配置変更。天候も良く、山歩きにはとても良い日であった。両チームがそれぞれルートを歩いて携帯電話の電波受信を行い、両ルートの最終地点の小爪峠で偶然にも合流することができた。
届いた記念写真を見てドコモから10名も参加していることを知り、ドコモ社員の皆さんに頭が下がる思いであった。後日、ドコモから調査結果が送られてきた。
第2回の調査
登山道には岩や沢があり、怪我や遭難がもっとも発生しやすい場所であるため、登山道の再調査をドコモに依頼したところ、コロナ禍ですでに在宅ワークとなっていた。
ようやく梅雨が開けた8月3日に第2回調査を行うことが決まった。調査は、椎原登山口―矢筈峠―椎原峠―椎原登山口の周回コースと、花乱の滝―金山―坊主ヶ滝コースの2ルート。早良区脇山の JA脇山支店に隣接するワッキー主基の里に午前8時に集合し、ドコモ4名、脊振の自然を愛する会4名が参加し、両ルート各4名のパート編成でそれぞれ調査に向かった。
筆者は「花乱の滝―金山ルート」を担当。登山道沿いの渓谷は長雨で水量が多く、履いている登山靴やスニーカーに水が入ってしまうこともあった。ようやく昼ごろ金山山頂(967m)に到着し、山頂の木陰にそれぞれ腰を下ろし昼食をとった。
ここから坊主ヶ滝登山口へは下りとなり、下山コースは長くて急峻である。スニーカーを履いてきていたドコモの社員2名は疲労がたまり、登山口まであと30分のところで太ももの震えが見られた。スニーカーは登山靴と比べて下り坂は弱く、滑ることが多い。しかし、ドコモの社員は疲れを感じながらも受信状況を丁寧に記録しており、後日、両ルートの調査報告が筆者の手元に届いた。
レスキューポイント設置
レスキューポイント地点検証
GPS機器ですでに調査していた地点とドコモの調査報告書を照合し、レスキューポイントの緯度、経度を一覧表にまとめた。
レスキューポイント表示板作成
レスキューポイントのプレート(以下、プレート)のサイズはB6版に指定。同会員であり、デザインとデータ処理のプロのKに制作を有料で依頼した。ポイントの「Rマーク」は、「某ネット通販サイトのロゴに類似している」と会員Mから指摘のを受け修正した。
早良区役所のホームページにリンク
QRコードをスマホで読み取れば、現時点の地図が表示されるように設定するため、国土地理院の地図上にレスキューポイントをプロットしたものを当初は福岡市役所のHPにリンクさせる予定だったが、市役所本庁から指示があり、早良区役所の HPにリンク作業を行った。
人吉の豪雨災害発生
Kの夫人の郷里であり、親戚や友人が在住する人吉の豪雨災害が発生し、Kはすべての仕事を1カ月間中断したが、ようやく一段落してリンク作業を開始できた。
(つづく)
2020年10月20日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行関連キーワード
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