女性活躍の時代を反映、NYと東京から女性講師が登壇~日本ビジネスインテリジェンス協会第171回例会開催(1)
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日本ビジネスインテリジェンス協会(中川十郎会長・名古屋市立大学特任教授)の第171回例会が10月29日、DEVNET INTERNATIONAL (以下、DEVNET)世界本部(東京・新橋)で開催され、国内外総勢13名の講師による、ユニークかつ貴重な発表が行われた。
現地会場とオンラインのいずれでも参加できるハイブリッド形式で開催され、ニューヨーク、東京、山形、新潟、京都、神戸、大阪、島根などから、60名を超える有識者が参加した。Zoom会場となったDEVNET世界本部には、30名を超える講師や参加者が集まった。
谷口誠・元国連大使(元岩手県立大学学長)は、日本人初となるOECD事務次長時代の経験を踏まえて、コロナ後の世界政治・経済について、次のように講演した。
行き詰まりをみせた「グローバリゼーション」
人類とウイルスの戦いの歴史は、遠くギリシャ・ローマの時代からあります。フランスのノーベル賞作家、アルベール・カミュの小説に『ペスト』がありますが、14世紀(~17世紀末)にヨーロッパを中心に大流行したペスト(黒死病)では、多くの人々が亡くなりました(当時の世界人口4億5,000万人の22%にあたる1億人が死亡したと推計)。
しかし、今回のコロナ騒動は、世界政治・経済の急速な「グローバリゼーション」の影響、すなわち行き詰まりによって、もたらされたものであると考えています。
英国のEU離脱は、実体としては英国やEUにとっても大きなマイナスであるはずであり、米国・トランプ大統領の「アメリカファースト」も米国がジリ貧、孤独となっていくなかで打ち出された政策と考えられており、いずれもうまく機能していません。
コロナ騒動が収束に向かわないのは、世界の政治家が 「World Perspective(世界的視野)」を完全に欠いていることが最大の原因だと考えています。米国、英国などの先進国は、新型コロナウイルスへの対策を一国単位で行っていますが、人類の敵であるウイルスに対して、なぜ国際協力ができないのでしょうか。
アジア地域での発展には、日中韓の連携が必要
コロナ禍によるアジア経済への影響としては、IMFが10月に公表した世界経済見通し(World Economic Outlook)による成長率予測(実質GDP、年間の増減率、%)は、以下の通りです。
<中国>
2019年:6.1(%)
2020年:1.9(%)
2021年:8.2(%)<インド>
2019年: 4.2(%)
2020年:-10.3(%)
2021年: 8.8(%)<日本>
2019年: 0.7(%)
2020年:-5.3(%)
2021年: 2.3(%)アジアの新興市場国、発展途上国では、19年5.5(%)、20年-1.7(%)、21年8.0(%)なっており、いずれも20年には相当に大きな影響を受けますが、21年には回復すると考えられています。しかし、これは相当に楽観的な数字ではないかと、私は考えています。
アジア関連で注目しているテーマは「日韓関係」です。日中関係は回復する努力やその兆しが見られますが、日韓関係は戦後最悪の状態になっているためです。これからのアジアの発展には日中韓の連携が必要です。
日本の基本的な見方は、「日中がうまくいけば韓国ともうまくいく」というものですが、昨今の状況を見ていると、そう簡単にはいかないという感を強くします。韓国は日本より進んだ国であった歴史もあり、植民地時代に日本が行ったことに対する「恨(ハン)」という感情が消えていないように感じます。
(つづく)
【金木 亮憲】
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