『脊振の自然に魅せられて』番外編:紅葉の四王寺山散策(後)
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「脊振の自然を愛する会」の会員でスキー仲間のSに依頼して11月18日に、太宰府近郊の四王寺山散策に参加した。
昼食予定の野外音楽堂に着いた。広い音楽堂のベンチで間隔を空けて、それぞれが昼食をとった。昼食のメニューは人それぞれであり、個性豊かで面白い。女性が参加するとデザートがまわってくるし、会話もにぎやかである。
百間石垣はわずかに左右にカーブを描き、高さ10m、長さ100mの巨大城壁となっている。筆者は、古人(いにしえびと)の築城のエネルギーはいかほどのものであったか、と思いをめぐらせた。
山道の一部は、10㎝四方の石を敷き詰めた立派な石道となっていた。筆者は、荷車で重い荷物を運ぶために石道を使ったのだろうと推測した。ここから舗装された広い車道を横切り、小石垣方面へとさらに進んだ。Sは「ここから、紅葉が一番きれいな場所となります」と教えてくれた。
舗装された林道の緩い登りの坂道で、この日、もっとも美しい紅葉が現れた。最後尾を歩く筆者は Sの後ろ姿をアクセントにして、素晴らしい紅葉の景色に思わずシャッターを押した。写真は、紅葉を楽しみながら歩く自然体のSがよいアクセントになり、この日で一番の秀作となった。
畑のなかの緩い山道が小石垣へと続いていた。Sは「ここから小石垣になります」 と言った。メンバーが小石垣の上部へ列をなして現れるのを待って、「皆さん、手を振ってください」と声をかけ、思い思いに列をなして手を振ってくれた場面を撮影した。
撮影を終えて急ぎ足で山道を登り、皆に追いつくと、周辺には、冬イチゴの大群落が赤い味をたくさんつけていて、メンバーは皆立ちどまって冬イチゴを食べていた。
冬イチゴは夏に白い花を咲かせ、冬に赤い実となり、酸味は強いが食べられる。自然がくれた「ビタミン補給タイム」である。ここから20分ほど歩くと、今日のもっとも標高が高い地点である焼米ケ原に着いた。一面の草原で、「奈良の正倉院と同等の建物があったと推測される」という説明書きがあり、奈良、平安時代の古き文化に触れたように感じた。
太宰府方面に急坂が続く山道を30分ほど下ると、太宰府の住宅街へ出た。住宅街の小川の縁にある休憩ポイントで最後の休憩を取った。橋の儀宝珠(手すり柱の上の丸い飾り物)が大きくてきれいであり、筆者は儀宝珠が百合科のギボウシの名前の由来だとメンバーに説明した。
暑い日であったが、リーダーの Iは気配りをして、水分補給のタイミングで何度も声をかけてくれた。全員、怪我もなく太宰府天満宮の門前町に着いた。数人が太宰府の門前町にある名物の梅枝餅屋に並び、筆者は妻への土産に買った。観光客が多いため、混雑への配慮で、店先には手書きで個数ごとの価格表があった。
筆者は喉を潤し、SとIは買ったばかりの梅枝餅を頬張り、男性3人で店の裏庭の古風な椅子に腰掛けて、今日の思いを語った。
太宰府駅に行くと、5人の女性陣はすでに1つ早い電車で帰っていた。元気な女性らだった。天神方面へ男性3人で乗車し、隣に座ったSはウトウトとし始めたが、それぞれの駅で降車し、別れた。
6時間で2万歩を歩き、のんびりと四王寺山散策を楽しめた1日であった。(了)
2010年12月2日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行関連キーワード
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