自然免疫力を高め、万病に立ち向かう生き方を!(5)
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医学博士・統合医療医師
(ホリスティッククリニック銀座 院長)
小林 常雄 氏最近では、多くの新聞、雑誌に「免疫力」という文言が躍るようになった。コロナ騒動で、多くの人々が「自分の身体は自分で守る(自己治癒力)」の大切さに気づきはじめたためだ。加えて、コロナ騒動が去っても、第2、第3のパンデミック、エンデミックが人類を襲うことも間違いない。
国立がん研究センター、京大、東大などで約40年の研究実績があり、2万2,000人を超える、がんの予知・予防を行ってきた小林常雄 医学博士・統合医療医師(ホリスティッククリニック銀座 院長)は、「がんを治すことより大切なのは、“免疫力”を高め、がんにかからないようにすること」と喝破する。9割以上の確率でがんを初期判定できるTMCA検査
――小林先生が開発され、2016年に米国の総合医療学会で「生涯賞」を受賞したTMCA検査について、教えてください。
小林 生活習慣病の代表であるがんという病気は、その兆候を早期に発見できるかどうかということが、治療を成功させる大きなポイントになります。TMCA検査(腫瘍マーカー総合検診)は、20mlの採血と10mlの採尿のみで、9割以上の確率でがんを初期判定することができる検査法の1つです。TMCAの基盤となる技術は、17年に日本で特許が認められ、米国、EUでも特許出願中です。
この検査法は、米国のドナルド・レーガン大統領のナンシー夫人の仲立ちにより、1986年~88年に米国国立がん研究所(NCI)とメイヨークリニック(2019~20年全米病院ランキング首位)でダブルブラインド試験が行われた結果、多変量解析により、初期がんに対する感受性に対して87.5%という結果が証明されました。がんの超早期診断、再発の予知・予防を可能にする検査です。
今日では、画像診断の曖昧さは深刻な問題となっており、画像診断の誤りもしばしば生じており、画像診断を過度に信用することはリスクが高いと考えられます。TMCA検査では、数字の変化であるため、画像診断の誤りは生じません。画像診断より、極めて高い精度で診断が可能です。
ビタミンはがんなどの病気にも極めて有効
――最後に、読者にメッセージをお願いします。
小林 すべての病に打ち勝つ「免疫力」を高めるために、大切なことが2つあります。1つ目は、がんをはじめ病気になるような食習慣(食生活)はやめるべきです。以下のことに留意して、自分の食生活が正しいかどうかをチェックしてみましょう。
<食生活チェック>
・パンや乳製品を中心とする食生活を改善する。
・タンパク質は主に魚(青魚など)や鶏肉から取り、牛や豚の肉は控える。
・白米を玄米か胚芽米に替える。
・おなかは冷やさないようにする(冷たい飲み物はできるだけ控える)。
・海藻や納豆などの腸内細菌を増やす食べ物は積極的に取り入れる。
・電子レンジを使った料理、添加物などはできるだけ控える。
・アルコールは控える(冷えたビールなどを避け、蒸留酒や熱燗などにする)。2つ目は、最近の研究から、ビタミンはがん、認知症をはじめ、その他の病にも極めて有効であることがわかってきたことです。
コロナ騒動で、「免疫力」を高める観点から高濃度ビタミンCが注目されたことは、記憶に新しいことと感じます。アメリカでは、ビタミンAが乳がん治療で保険の適用を受けました。米国の治療費は、日本の保険診療と比べると信じられないほど高額であるため、予知・予防戦略としてのビタミンに関する認識が、日本の数倍も優れています。一方、日本では、健康保険で「予防」は適用されないため、軽んじられる傾向にあります。
がん患者でビタミンAとDの両方が多い方はほとんどおらず、とくにビタミンAが際立って多い方は、がんになってもほとんど重症には至らない傾向にあります。日本では、ビタミンCとビタミンDはドラッグストアなどで簡単に手に入りますが、ビタミンAを入手するためには、医師の診断が必要になる場合もあります。また、市販されているサプリメントのビタミンC、Dの含有量は、米国と比較すると極めて少なくなっています。
ビタミンA、C、Dなどが自身では不足していると感じられる場合は一度、調べてもらうと良いでしょう。アルツハイマー病などの神経変性疾患の世界的権威であるデール・ブレデセン氏もベストセラー著書『アルツハイマー病 真実と終焉 』で言及しているように、認知症とビタミンD不足には相関関係があります。
1人ひとりが、60兆個の細胞の大経営者としての自覚をもち、自身の健康管理に意識をしっかり傾けていかれることを望んでいます。
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小林氏は、コロナ収束後にジョンズホプキンズ大学における共同研究(招聘)を予定。大脇準一郎(特非)未来構想戦略フォーラム代表に今般取材の仲介の労をいただいた。
(了)
【金木 亮憲】
<PROFILE>
小林 常雄 氏(こばやし・つねお)
1944年鳥取生まれ。69年鳥取大学医学部卒業後、国立がん研究センター内地留学、72年~74年京都大学大学院、79年東京大学大学院卒業。京都大学と東京大学の大学院で生化学を中心としたがんの基礎研究を行い、東京大学で博士号を取得。79年以後、一心総合病院副院長、京北病院院長IMHCクリニック院長を歴任。2015年12月より美浜ホームクリニック・国際がん再発予知・予防センター長を務める。
NHK(ETV)放映の「人間はなぜ治るのか?第2回癌からの生還」治療ルポが大きな反響を呼んだ。16年9月アメリカ総合医療学会で招待講演、「生涯賞」を受賞。
著書として、『ついにわかった癌予防の実際』(主婦の友社)、『癌、温熱治療の科学』(東洋医学舎)、『告知してこそがんは治る』(現代書林)、『ガン病棟7割生還』(トクマブックス新書)、『ガンを消す自己治癒力』(同文書院)、『健康情報革命 ボケ、ガン常識を覆せ』(イーブック新書)、『免疫力を高めるコツ50』(同文書院)、『がんの正体がわかった!』(創藝社)ほか多数。関連記事
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