市街地整備2.0で進むまちづくり~国交省が事例集を公表
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国土交通省は(以下、国交省)、これからの市街地整備の在り方として「空間や機能の確保を目的とする開発」から「価値や持続性を高める複合的更新」への転換を推進している。前者を市街地整備1.0とすれば、これから求められるのは後者の、市街地整備2.0とも呼ぶべきものになる。
市街地整備1.0の代表例は、戦後から高度経済成長期にかけて行われた、官主導による「土地区画整理事業」や「市街地再開発事業」などの大規模開発。
対して、市街地整備2.0は整備対象となるエリアを多様性に富み、さまざまなアクティビティが展開されるまちへと更新するもの。実現に向けては、まちづくりのビジョンを共有したうえでの公民連携による幅広い手法・取り組みが必要となる。国交省では、今後のまちづくりの参考になればと、市街地整備2.0の具体的な取り組み事例を複数公表している。
事例A:錦二丁目地区(愛知県名古屋市)
<まちづくりの主体>
錦二丁目まちづくり協議会 / 名古屋長者町(協) / 錦二丁目エリアマネジメント(株)<まちづくりのポイント>
戦後、繊維問屋として栄えた長者町を含む錦二丁目地区の再生に向けて地域の主体的な取り組みによってマスタープラン(これからの錦二丁目長者町まちづくり構想)を策定。市街地再開発事業(令和3年度未完成予定)で整備されるエリアマネジメント活動拠点では、まちづくり会社が生活支援や地域交流などの事業を行い、収益は地域活性化などに還元する予定。事例B:日比谷エリア(東京都千代田区)
<まちづくりの主体>
三井不動産(株) / (一社)日比谷エリアマネジメント / 千代田区 / その他エリア内営業者など<まちづくりのポイント>
地権者・行政とともに策定した将来ビジョンを踏まえ、土地区画整理事業・都市再生特別地区などの活用により、大規模施設が整備されるとともに、まちの賑わいの核となる広場空間を創出。公共施設を含めた継続的な維持管理・賑わいづくりに関しては、公民連携によって、自立型エリアマネジメントの仕組みを構築した。イベントなどに活用可能な広場や、周辺エリアとつながる緑豊かな回遊拠点が形成された。
広場で営業する店舗から得られた収益をイベント開催や
周辺区道の維持管理などのエリアマネジメント活動の財源にすることで、
行政からの補助金や事業者からの負担金に頼らない自立型エリアマネジメントを実現たんなるスクラップ&ビルドではなく、まちのポテンシャルをいかした地域再生。市街地整備2.0の広がりを期待したい。
【代 源太朗】
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