脈絡膜の厚さが加齢黄斑変性に関連、アジアで初めて確認
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(国研)国立がん研究センターの社会と健康研究センターは12日、日本人を対象とした疫学研究(コホート研究)の結果、網膜の外側にある脈絡膜の厚さと加齢黄斑変性(AMD)との関連が示唆されたと発表した。脈絡膜とAMDに関する研究報告はアジアで初めてという。
ADMは、加齢にともなって網膜の中心部の黄斑組織が変性し、視力の低下を招く病気。病状によって初期・中期・後期に分類される。脈絡膜は血管が多く、網膜を含む眼球内に栄養を与える働きがある。近年の研究で脈絡膜の厚さとAMDが関連すると報告されていたが、アジア人についてはわかっていなかった。
今回の研究は、1990年に長野県南佐久郡(8町村)に在住していた40~59歳の約1万2,000人のうち、2014~16年に眼底検査を行った901人の男女(平均年齢73.2歳)のデータに基づいて実施。眼科検査機器の光干渉断層計(OCT)を用いて脈絡膜の厚さを測定し、初期AMD、中期AMDとの関連を調べた。
分析した結果、AMDの所見がない人と比べて、中期ADMの人では脈絡膜が厚い傾向にあった。社会と健康研究センターは今回の研究成果について、AMDの早期治療に役立つ可能性があるとしている。
【木村 祐作】
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