積み重ねてきた技術と信頼で 人に優しい快適住環境を創造
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(株)中原工務店
水まわりのプロとして危機に対応できる提案を
都市のライフラインとして重要なインフラである水道施設工事で衛生的な水まわりを実現し、地域を支えるプロ集団がいる。それが(株)中原工務店だ。同社は1964年1月に故・中原義人氏が創業し、65年2月に設立した管工事業者。93年3月に中原賢勝氏が2代目に就任し、2013年1月には賢勝氏が代表取締役会長に就任。3代目社長にはプロパー社員であった宮口新氏が就任し、現在は2人代表制で同社を支えている。また、関連会社として、(株)徳永設備工業がある。
水まわりのプロである同社は、人に優しい快適な住環境空間の創造を目指し、日々の業務に邁進している。主な取り組みとしては、市庁舎の空調システム工事や、大手ハウスメーカー・積水ハウス(株)の認定工事店として給排水衛生設備・水道施設工事などがある。積水ハウスとは強い信頼関係を築き、50年近い強固な結びつきも強みの1つだ。
業務内容としては、効率的・衛生的に最適最新の技術・設計で水まわりをサポートする「給排水衛生設備工事」や、ビル空調から一般住宅まで、より健康的で快適な空調環境を提供する「空調換気設備工事」。さらに、下水量を正しく計測することで通常の下水道料金から20%~30%のコスト削減を提案する「排水減免工事」のほか、「水道施設工事」「内装リフォーム工事」「水道連結型スプリンクラー設備工事」など、多岐にわたる。
なかでも注目したいのが、「空調換気設備工事」だ。新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、「換気」は誰もが気になるところ。同社では日々進化する機器を提供する設備工事のプロフェッショナルとして、さまざまな建物の相談を受けている。また、火災が起きたときに役立つ「水道連結型スプリンクラー設備工事」も受注が増加している。同社が扱う防災弁ユニット(乾式)のホームスプリンクラーシステムは、火災警報と家庭用水道水を利用して一体化し、初期消火を目的とした低コストのシステムだ。グループホームや戸建住宅、マンション・アパートなど、さまざまなタイプの住宅に利用できるのも魅力の1つだ。そのほか、(1)貯水槽の設置スペースの確保を気にしなくていい、(2)通常時は配管内がカラのため、水漏れや凍結の恐れがない、(3)スプリンクラーヘッドが閉鎖型のため、火災が発生した部屋のみ散水される、(4)バッテリーを内蔵しているため、停電時でも作動する、といった多くのメリットにより、利用者の安心・安全を守っている。
さらなる安定経営を目指すとともに、人材のスキルアップを図る
現在、積水ハウス関連が売上高の約35%を占めており、月平均15戸を受注している。官公庁は入札によるため年によってバラつきはあるものの、約30%。この2つが同社の大きな柱となっているが、今後は民間顧客の増加を図っていく方針だ。
「既存のお客さまを大事にしつつ、JR九州住宅(株)やトヨタホーム九州(株)といった大手企業のほか、一般ビル関係の賃貸やマンション、ゼネコンなど顧客層を増やす段階にきています。これも社員たちが真摯に業務にあたってくれたおかげです。少しずつですが成果も見え始めてきましたので、今後はさらに拡大していきます」と宮口社長はにこやかに語る。
業界内では利益率が高い同社だが、さらなる経営の安定を目指して奮闘中だ。そのためには、人材の確保と育成が重要になってくる。現在、力を入れているのが社員の各種資格取得サポートだ。
「お客さまのために仕事のレベルを落とすことなく、社員にも無理をさせないということが課題です。今後、中原工務店を支えていくのは若手社員たちですから、彼らの資格取得への意欲を高めることが私の役割だと考えています。当然、資格の取得に成功した社員には月々の給料に上乗せしていくシステムになっています。また、会社内の情報共有を密にし、風通しの良い社風を築き上げていきたいですね」(宮口社長)。
取材時に感じたが、宮口社長自身が気さくで明るい人柄で、社内の雰囲気は活気に満ちあふれていた。これは「(1)お客さまへの感動を(常に自分自身を顧客に置き換えることにより実現しよう)、(2)目標の設置(個人として、社員としての目標をもとう)、(3)社員の和(1人では何もできない。お互いを理解し協力し合い、思いやりをもって行動しよう)」という経営理念が社員に浸透している証左だろう。社内でお互いが信頼し合える環境があるからこそ、社外でも高い信頼を得られているのだ。
仕事のなかに楽しみを見出し、やりがいをスキルアップにつなげる
働き方改革が推進され、ますます人材の流動化が進んでいる。だが同社は宮口社長を始めとして、勤務年数30年を越える社員が多い。これは働き方改革が提唱される以前から「働きやすい社風」を整えてきたからだ。たとえば、先代の中原会長時代から勤続時間は午後5時までという体制をとっており、社員のプライベート時間を確保することで充実した生活が送れるよう、配慮されている。
営業面では、現場担当の社員が取引先へ営業・見積りを行い、請負額まで決めるなど各担当レベルに権限を与えることでやりがいをもたせている。材料仕入れについても権限を与え、複数社から見積りを取り、コスト削減に努めるなど社員それぞれが経営者意識をもつ仕組みを構築した。会社全体でのフォローを受けながら、担当として仕事を「任せてもらう」ことが、仕事に対する楽しみを生み、社員を育てていくことにつながっている。
「社員たちのスキルアップを図っていくことが、会社を繁栄させるために重要です。我々の強みは、長年培われた技術と顧客のニーズに即対応できる社員がいること。まさに『人財』が支えていると言って過言ではありません」(宮口社長)。
創業以来一貫して、経営理念である「顧客第一主義」を徹底できるのは、社員の結束力と意識の統一が脈々と受け継がれているからだ。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:宮口 新
所在地:福岡市南区的場2-25-5
設 立:1965年2月
資本金:4,500万円
TEL:092-591-1400
URL:http://www.nakahara-k.co.jp
<プロフィール>
宮口 新(みやぐち あらた)
1958年4月生まれ、佐賀県出身。久留米工業大学卒。81年4月、(株)中原工務店に入社。2005年10月、同社常勤取締役に就任。13年1月、同社3代目の代表取締役社長に就任。業界歴は約40年のベテラン。趣味は野球、ゴルフ。謙虚かつ明朗な性格は社員たちにも波及しており、活気のある職場づくりを実現している。法人名
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