パチンコメーカーのテレビCM解禁へ期待と不安
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4月1日、パチンコメーカーのテレビCMが10年ぶりに解禁される。30社以上のメーカーで組織する日本遊技機工業組合は、東日本大震災の発生とそれにともなう“自粛ムード”を受けて、テレビCMの放送を見送ってきた。
コンテンツ産業にとっても新規ファン獲得の機会に
「あなたと合体したい」。2007年11月、全国のホールに導入されたSANKYO「CRフィーバー創世のアクエリオン」のテレビCMは、このワンフレーズとともに話題になった。
実際にパチンコを打った遊技ファンのなかには、「どの演出が熱いのか」を知ろうと、原作のアニメを鑑賞した研究熱心な者も少なくない。その結果、パチンコから原作へという“逆流現象”が起き、深夜アニメだった「創世のアクエリオン」の知名度向上にも貢献した。
新台のテレビCMに期待される効果は、パチンコホールへの誘客だけではない。マンガ・アニメといったコンテンツ産業にとっても、新規ファンを獲得する機会につながる。
ホール側は複雑な心境
一方、テレビCMの解禁をホール側はどうみているのか。数社に聞いてみた。
A社は過去の経験から期待が大きいという。「以前、格闘技の『K-1』人気が絶頂期だったころ、独占スポンサーだった遊技機メーカーが番組の合間に遊技機のCMを繰り返し流しました。翌日、その遊技台の稼働率が上がった経験が懐かしく思われます」。
B社はコロナ禍を鑑み、「以前のようにテレビCMを乱発することはないと思われるので、メーカーも力を入れる機種に絞ってCMを放送すると思われます。CMで目に付く→遊技体験→面白い→リピートという好循環に期待します」と話している。
C社も「コンテンツによっては新規ファンの来店につながる可能性がありますし、休眠ユーザーの掘り起こしにも貢献するかもしれません。また、既存の遊技ファンにとっては狙いを絞りやすくなると思います」と期待を寄せる。
このほかのホールからも、メーカーのテレビCM解禁に「期待する」という声が聞かれたが、同時に「テレビCMの費用が機械代の値上げ要素になるのではないか」という不安もあるようだ。
メーカー側はテレビCMの解禁を通じて、新台導入の周知、遊技意欲の向上を図りたい考えだが、すでにウェブ広告へ注力しているメーカーも少なくない。とはいえ、依然としてテレビの影響力は大きく、どこが先陣を切るのか、メーカーの動向が注目される。
【代 源太朗】
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