(国研)国立がん研究センターの社会と健康研究センターは22日、体重が減少しても年配者の脳卒中の発症リスクを上昇させることが、観察研究(コホート研究)でわかったと発表した。
調査は1990年と93年に全国9地域に在住していた40~69歳の約7万5,000人を対象に、2012年まで追跡して実施。期間中に3,975人が脳卒中、914人が虚血性心疾患になった。
調査開始から5年間の体重の変化を基に5つのグループに分けて、その後の脳卒中と虚血性心疾患の発症リスクを調べた。
調査の結果、脳卒中については男性の場合、体重が「5kg以上減少」したグループで発症リスクの上昇が認められた。女性では、「5kg以上増加」したグループでも「5kg以上減少」「3~4kg減少」したグループでも、発症リスクが上昇した。
虚血性心疾患については男性の場合、明確ではないものの、「5kg以上増加」したグループで発症リスクが上昇する傾向が見られた。一方、女性では関連性が認められなかった。
これまでの研究によって、体重の増加が女性の脳卒中の発症リスクを上昇させることが報告されていたが、今回の調査で、男女ともに体重の減少によってもリスクを高めることがわかった。研究グループは、原因が明らかでないため、引き続き研究する必要があるとしている。
【木村 祐作】
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