2024年12月24日( 火 )

藤永憲一福岡商工会議所会頭、心中を語る

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西日本新聞、藤永会頭退任と報じる

 『西日本新聞』(4月24日付)が「藤永会頭が2期目の任期途中で退任」と報じた。筆者は、藤永氏が「辞める」と話すことはないものと確信していた。おそらく、西日本新聞社の記者から「それでは、会頭を続けるのですか」と質問を畳み掛けられた際に、「続ける」と断言しなかったのではないか。そのために、「辞める」のではないかという心証を与えてしまったものと推測した。

相次ぐ変則交替

藤永 憲一 氏
藤永 憲一 氏

 2代前の会頭の末吉紀雄氏が体調を壊し、2015年9月に任期半ばで退任。その後任として会頭職を引き継いだのが、西日本シティ銀行副頭取を務めた礒山誠二氏であった。礒山氏は17年11月に再任された、所属企業の許可が下りずに18年6月に退任した。このように会頭人事は、福岡商工会議所の定例人事よりも、所属企業の株主総会期の時期に決定されることが慣例になりつつある。

 変則的な登用により6月で任期が3年となることについて、藤永氏は「昨年11月に福岡商工会議所議員の皆さんから信任を受けており、任期途中での辞任表明は期待を裏切ってしまうという後ろめたさはあります。しかし、次に会頭候補になられる方がおられるので、若返りをはたす役割をさせてください」と語る。

 藤永氏に会頭就任を無理に依頼した議員は次のように本音を漏らす。「副会頭に就任して日が浅い時点で無理して承諾してもらうよう迫りました。無理をお願いした経緯もあるので、今回は本人の意向を大切にしたいです」と前回の選考時の裏話を教えてくれた。

職員から絶大な信用と人気

 藤永氏は3年間を振り返る。「まさしくコロナで始まりコロナで終わる会頭職3年間でした」と総括。たとえば、19年5月の博多どんたくのパレードに参加して興奮したが、「博多どんたくに加わって、博多に生まれて本当によかったと感謝しました。しかし、この郷土の最大の財産である博多どんたくが2年も中止されるのは悔しいです」と残念がる。

 職員からも人気がある。ある部長は「我々の提案事項の大半を認めていただきました。ただし、必ず意見も述べられます。的確な指摘ばかりでこちらが勉強になりました」と話す。

 会頭就任を迫った前述の議員は「九電総務部で鍛えられた気配りはさすがにたいしたものだ。人の使い方、接し方には感服した。人柄の面で過去最高の会頭である」と絶賛する。

今後のスケジュール

 藤永会頭が退任の意思を部会長会で正式に表明し、それが承認されることはまず間違いないであろう。部会長会が「次期会頭候補の提案を副会頭メンバーに委ねること」を決定し、副会頭たちが「意中の候補者」を部会長会に具申する。それを受け、部会長会は議員総会を緊急に招集する。6月には議員総会が行われ、提案された会頭候補を信任するかどうか決議するであろう。6月中には新会頭が誕生するとみられる。

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