米大手EC「iHerb」、コロナ禍で日本向けサプリの需要拡大
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国内累計顧客数100万人以上
サプリメント先進国である米国の大手EC(電子商取引)・ネット通販企業「iHerb」では、サプリメントや化粧品など3万点に上る商品を185カ国、3,000万人以上の顧客に向けて、国境をまたぐ越境ECによって直接販売している。iHerbサイトは11カ国語に対応し、日本の累計顧客数は100万人以上、年間売上は数億円規模に達している。
Google 自動翻訳などの技術革新が進むなか、将来、ネット通販は言葉の壁を越えて国内外を問わず「ボーダレス」に販売できるようになると予想されている。
コロナ禍の購入動向
コロナ禍を背景に、iHerbでは体調管理を目的としたサプリメントの需要が高まり、ビタミンC・ビタミンD・亜鉛などの商品の人気が上昇している。日本向けのベストセラーは、米国産ビタミンCサプリメント「サンリピド・リポソームビタミンC」だ。
iHerb日本マーケティング部門の貞光ライアン氏は、「意外にもコロナ禍でオーガニックなどの食料品の売上が大きく伸びました。おそらく、自宅で過ごす時間が長くなり家庭で料理をする機会が増えたことや、健康に気遣う人が増えたことから、オーガニック食料品を購入する人が増えたのでしょう」と直近の傾向を説明する。
パンケーキにかけるカロリーゼロの「ウォルデンファームス・パンケーキシロップ」や、タンパク質が豊富でヘルシーな「クエストニュートリション・プロテインチップス」も、日本向けのベストセラー商品になっている。
海外サプリやオーガニックコスメに需要
iHerbでは、米国産を中心に1万種類以上の海外製サプリメントを販売。日本では購入できない海外製サプリメントを手軽に入手できることや、日本で購入するよりも値ごろ感のある価格で購入できることが、iHerbが利用されている理由だという。
貞光氏は、iHerbの化粧品ECについて「日本は世界でも最先端の美容大国のため、日本発のブランドと競合するうえで厳しい環境にあるというのが本音です。しかし、iHerbでは、自然派化粧品やオーガニックコスメで幅広いブランドをそろえており、日本のデパートやドラッグストアで見つけることのできない商品が大半を占めているため、肌に触れるものに気遣う自然派志向の人々に利用されることが多いです」と話す。敏感肌の人でも使いやすい化粧品を数多くそろえていることも、購入される理由に挙げている。
国際配送コストを大幅削減
iHerbでは、国際配送でネックになりがちな日本への送料を「自動セレクト海外配送」(配送会社をiHerbに任せる配送)によって、一律4ドル(約450円)の低価格に抑えている点も特長だ。
日本でオンライン購入された商品を韓国・仁川の配送センターから輸出することで、日本への送料を大幅に削減。貞光氏は「日本向けは年間約1,500万件の注文があるため、佐川急便やヤマト運輸と提携して手ごろな価格帯で配送しています」と説明している。
「iHerbは日本でもすでに長い実績があり、運動をする人や健康意識が高い人などのコミュニティーでは広く知られています。次のステップとして、より広い層の人々への認知度を高めて、日本でも健康やウェルネスのオンラインショップの代名詞になることを目指しています」(貞光氏)。
海外製サプリメントや自然派製品の個人輸入のニーズは根強く、国境を越えたEC市場の動向が注目される。
【石井 ゆかり】
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