【再掲】2050年代を見据えた福岡のグランドデザイン構想(33)~新福岡空港島(案)と玄海国定公園指定区域との位置関係
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C&C21研究会 理事 下川 弘 氏
2008年の福岡空港総合的調査で検討された新空港案で示された6案のうち、4案は玄海国定公園の指定区域内に計画されていた。
そもそも国定公園とは、国立公園に準じる景勝地として、自然公園法に基づいて環境大臣が指定する公園である。1956年6月に指定された玄海国定公園は、東は北九州若松区遠見ケ鼻から、西は佐賀県伊万里市伊万里湾浦潟近辺までの東西約120kmにおよぶ広範囲に広がっている。
清く澄んだ玄界灘沿岸の海岸線のほか、クスノキの原生林で知られる立花山も指定地に含まれており、白砂青松の海岸線や岬からの眺望など、景勝地として多くの人が訪れる。このうち、津屋崎海岸や海の中道などの砂浜は、北九州方面からも砂が移動しているといわれている。
つまり、08年当時の総合的調査で示された計画案は、環境的配慮もなく、建設コストを安くするためだけに、海岸線に近づけていたものだった。
我々C&C21研究会による検討案は、海の中道の海岸線から2km以上離れた場所に計画することで、玄海国定公園の指定範囲外に建設するというものである。その分、建設地の水深も深くなり、建設コストは幾分高くなってしまうと思われるが、風光明媚な砂浜に悪影響を与えてしまうよりはよいのではないかと考えている。
(つづく)
<プロフィール>
下川 弘(しもかわ・ひろし)
1961年生まれ、福岡県出身。熊本大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程を修了後、87年4月に(株)間組(現・(株)安藤・間)に入社。建築設計第一部や技術本部、総合企画本部企画部などを経て、99年1月には九州支店営業部に配属。その後、建築営業本部やベトナム現地法人、本社土木事業本部営業部長などを経て、2020年9月から九州支店建築営業部営業部長を務める。社外では99年9月からC&C21研究会事務局長(21年8月から理事)を務めるほか、体験活動協会FEA理事、(一社)日本プロジェクト産業協議会の国土・未来プロジェクト研究会幹事、(一社)防災教育指導協会顧問など数々の要職に就いている。関連キーワード
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