世界の電池市場で躍進が目立つ中国企業(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
環境への配慮から、自動車産業も電気自動車への意向が徐々に進んでおり、電気自動車の原価の40%を占めるコア部品の電池に熱い視線が注がれている。電池市場で日中韓の激しい競争が繰り広げられているのはよく知られているが、中国企業が急激に台頭している今、電池市場では何が起こっているのか。
市場シェアを急激に伸ばす中国企業
以前は、電池市場でもっとも進んだ技術をもっていたのは日本企業であり、パナソニックはテスラに電池を供給して、電池市場のトップシェアを誇っていた。ところが、韓国の電池企業3社が躍進を続けた結果、2020年、パナソニックはLGエナジーソリューションにトップの座を明け渡し、電池市場での韓国企業の成長が注目を集めた。しかし、今年に入ってからは中国企業の躍進が著しく、とくに世界でトップシェアに躍り出た中国企業のCATL(寧徳時代新能源科技)の成長ぶりには目を見張るものがある。
韓国の電池企業であるLGエナジーソリューション、サムスンSDI、SKイノベーションの世界市場シェアは2019年には17%にすぎなかったが、20年には33%へと大きく伸ばした。
韓国電池企業はヨーロッパと米国に巨額の投資を実行し、生産能力を確保することによって市場シェアを伸ばした。20年のシェアでいえば、世界で走っている電気自動車3台中1台は韓国企業の電池を搭載しているほどになった。ところが、今年の第1四半期から、中国電池企業の躍進が目立つようになり、韓国電池企業は岐路に立たされている。
新型コロナウイルスを乗り越えるため、中国政府が積極的に景気刺激策を推進するなか、中国電池企業は政府による電気自動車産業の育成の恩恵に預かっている。その結果、中国企業は市場シェアを急激に伸ばし、韓国企業は逆にシェアを落としている。加えて、中国企業の追い上げは技術力においても激しく、韓国企業にはそれがもっと大きな脅威だ。
市場調査会社のSNEリサーチによると、韓国電池企業3社の今年1~2月の世界市場シェアは29.5%で、前年同期比11%も減少した。その反面、中国電池企業CATLの世界市場シェアは昨年1~2月の22.1%から今年の同時期には43.7%に大きく伸びている。加えて、もう1つの中国の電池企業であるBYDも4位にランクインし、3位に付けているパナソニックを追い上げている。
(つづく)
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