【福岡市公共事業を問う(4)】平尾小学校の増築工事問題
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2016年9月から19年2月に行われた福岡市立平尾小学校の「講堂兼体育館改築等工事」により、増築地に隣接する住宅は建物が傾き、外壁には亀裂が入り、排水管が壊れ、家主の日常生活に影響をおよぼすようになり、引っ越しをせざるを得なくなった。
工事を発注したのは、福岡市の依頼を受けた外郭団体の(公財)福岡市施設整備公社。家主は早くから福岡市教育委員会に工事による被害を訴えてきたが、進展が見られなかった。そのため、隣接住宅の家主らは4月8日、福岡市および施工を請け負った建設会社3社を相手取り、計約9,500万円の損害賠償を請求する訴訟を提起、7月1日に第1回口頭弁論が福岡地裁で開かれた。
傍聴席は平尾小学校の校区の住民を含む市民らで満席となり、本件に対する関心の高さをうかがわせた。対照的に、原告によると福岡市役所の関係者と家主が確認できた傍聴者は1,2名であったという。福岡市側は原告の請求の棄却を求めている。
原告から同弁論での意見陳述を提供していただいたので、掲載する。
本件の提訴後、福岡市に「どのような責任を感じているか」「今後どのような対応を行うか」と問い合わせたが、係争中の案件との理由で具体的な回答は得られなかった。
左:傾斜により壁と引き戸の間に生じた隙間
右:亀裂が生じた外壁【茅野 雅弘】
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