2024年11月21日( 木 )

ド派手なセレブ生活は続くのか(7)

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 天然石アクセサリー販売で急成長を遂げた(株)ストーンマーケット(本社:福岡市中央区、中村泰二郎社長)。いろいろな商業施設で店舗を目にした人も多いだろう。中村社長のド派手なセレブ生活も有名だが、徐々に業績に陰りが見え始めている。話題には事欠かない同社の現状を検証してみよう。

<内部からの不協和音も出始めた>

 stonemarket2高級品でもなく、おもちゃでもない天然石のアクセサリーという市場を創出した中村社長の発想は稀有なものだ。自然のパワーを持つ「石」とファッションを融合させた天然石アクセサリーは、スピリチュアルが注目されるようになった現代にマッチしたものだったのだろう。さらにビジネスとして高い収益性とスピード感ある展開は、経営者として評価されるべきものだ。一方で、ド派手なセレブ生活ぶりを毛嫌いする人も多い。「下品な成金趣味」と揶揄される面があることも事実だ。慈善活動から派手なパーティーまでといった振り幅の大きさが、話題を呼び注目を集める結果にもなった。話題性も広告宣伝の1つであることは間違いないので、一概に派手さを否定することはできない。
 ただし、本業と話題性のバランスは重要で、話題性ありきの展開に陥ってしまうケースも少なくない。一時期のネットバブル時代の若手経営者には、そういうタイプが多かった。大抵の場合、話題性を保つために言動が次第にエスカレートしてしまい、モラル欠如の状態を招き落とし穴に嵌ったりする。

 今回の取材を総括してみると、主力商品である天然石アクセサリーの売上が減少しており、採算性も低下してきていること。飲食事業など多角化へのシフトも進まず、本業の落ち込みをカバーするような事業が育っていないこと。借入金はあまり減少していないこと、などがわかった。取材過程で「売上至上主義で販売ノルマが厳しい」「最近になり経費削減を言いだした」などの内部の不協和音も漏れ伝わってきた。中村社長を取り巻く経営者や芸能人、有名人の離合集散も激しいようで、「今の取り巻きは商売でぶら下がっている人ばかり」との声も聞かれるなど、中村社長の求心力の低下も感じられる。
 業績が後退局面に入っていることは間違いなく、今後は店舗のスクラップが増える可能性が高い。どこかの水準で縮小均衡ながらも業績低下に歯止めが掛るのか、止めどなき負のスパイラルに落ち込んでいくのか、経営者は難しい舵取りを迫られるだろう。個人資産の蓄積は相応にあるだろうが、会社の業績が悪化していけば経営者の生活水準を維持することも難しくなる。ド派手なセレブ生活も終焉の時が近づいているのではないか。

(了)
【特別取材班】

 
(6)
(続)

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