2024年11月28日( 木 )

【視点】新型コロナ感染者数過去最多~強いリーダーシップを

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 4日の新型コロナウイルスの新規感染者数は全国で1万4,000人超と過去最多を更新。福岡県の新規感染者数は752人とこちらも過去最多となった。

 福岡県の服部誠太郎知事は本日午前に臨時記者会見を開き、政府に緊急事態宣言の発出を要請したと発表。福岡県では2日に「まん延防止等重点措置」が適用されたばかりで、緊急事態宣言の発出となれば6月20日以来で4回目となる。また、政府は本日、新型コロナウイルスに関する基本的対処方針分科会において、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を新たに「まん延防止等重点措置」に適用する方針を諮り、了承された。

 感染力が強いデルタ株などにより感染者は増加の一途をたどっており、出口が見えない状況が続いている。昨年2月25日、内閣に設置された新型コロナウイルス感染症対策本部は「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」内で対策の目的として、「流行の早期終息を目指しつつ、患者の増加のスピードを可能な限り抑制し、流行の規模を抑える」「重症者の発生を最小限に食い止めるべく万全を尽くす」「社会・経済へのインパクトを最小限にとどめる」としているものの、1年半が経過した現在、これらの対策が有効に機能したとは言い難い。

 菅首相は4日、65歳以上の高齢者のワクチン接種が8割を超えたと公表し、「政府目標を達成した」と胸を張る。しかし、国民が政府に求めるのは局面での成功を誇ることではなく、大局的な見地に立ったうえで、コロナを収束へと導いてくれることだろう。それを実現させるためには強いリーダーシップが必要不可欠だ。

 7月30日の記者会見で菅首相は、新型コロナ対策をめぐって「感染対策でしっかりと対応することが私の責任。私はできると思っている」と断言しているが、感染拡大の推移次第によって、首相の責任を問う声がますます強くなってくるものと思われる。

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