2024年09月12日( 木 )

市長には政策・議題ごとに是々非々で臨む

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第74代福岡市議会議長 伊藤 嘉人 氏

 6月に第74代福岡市議会議長に就任した伊藤嘉人氏(5期、南区)。1999年から4期連続当選の後、2015年の選挙では苦杯をなめたものの、19年の選挙で見事に返り咲き、自民党福岡市議団副会長を経て、議長に就任した。

(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)

 ――県議会議長に取材すると、知事が上で議会が下で知事を支えるというわけではなく、それぞれ県民から選ばれており、対等であるということを強く主張されます。県議会議員からは良い意味で知事と張り合うという意識を感じます。

第74代福岡市議会議長 伊藤 嘉人 氏
第74代福岡市議会議長
伊藤 嘉人 氏

 伊藤嘉人氏(以下、伊藤) 県議会は市議会と比べて歴史も長く、県議会議員には広大で多様性のある県全体を代表しているという自負があり、それが首長と対等という意識につながっているのだと思います。また、自民党と公明党で過半数を占めているという事情もあります。このような事情から、福岡市議会は福岡市長ほど強くはないという意識があるのでしょう。議長として、高島市長には政策・議題ごとに是々非々で臨み、話し合いながら進めていくことを基本に据えていきたいと思っています。

 ――市長との関係においても、変化が見られるのでしょうか。

 伊藤 昨年以降、新型コロナウイルス対策が福岡市政にとってメインの課題となっています。その状況において、市長には議会全体はもちろん、与党会派ともしっかりと連絡をとってもらっており、お互いに「我関せず」という雰囲気はなくなっています。

 前期(2015~19年)は福岡空港出資問題などをめぐり、自民党市議団と市長が対峙するという状況が続きましたが、現在は話し合って理解を深めるという姿勢で取り組んでおり、当時と比べてお互いに理解を深めています。 

 ――議長として任期中に優先して取り組みたい課題は?

 伊藤 多くの課題がありますが、優先して取り組み解決していきたいことは、住民の生活交通の問題です。公共交通機関が近くにない地域に住んでいるが、免許証を返納しているという高齢者が多くいます。また、住宅、住民は増えたのに、30~40年拡張されていない道路もあり、整備が必要です。実現のためには予算などのハードルがあり、地下鉄の新規路線建設や延伸などは容易ではありませんが、交通の利便性を高められるようしっかりと取り組んでいきます。

 自民党市議団では住民に対しアンケート調査を実施しており、全市に共通する課題です。サンプルを集計して、市政に反映させたいと思っています。

<プロフィール>
伊藤 嘉人(いとう・よしと)氏

1961年生まれ、福岡市出身。79年筑紫丘高等学校卒、83年福岡大学法学部卒。99年、福岡市議会議員初当選(南区、5期目)。自民党福岡市議団幹事長、市議会運営委員会委員長などを経て、2021年6月から第74代福岡市議会議長。
公式HP:https://www.itouyoshito.com/

【文・構成:茅野 雅弘】

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