九州地銀(17行)の2022年3月期 第1四半期決算を検証する(4)
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【表(1)】は、九州地銀(FG・FH含む)の2022年3月期第1四半期(6月期)の預金残高の順位である。
21年6月期の総預金残高の1位は福岡銀行で、前期比4,108億円増の13兆99億円(前期比3.3%増)。そのうち譲渡性預金(NCD)は同3,212億円増の4,996億円(同180.0%増)。シェアは23.9%となっている。2位は西日本シティ銀行で、同3,803億円増の9兆6,430億円(同4.1%増)。そのうちNCDは同1,400億円増の3,272億円(同74.8%増)。シェアは17.7%。
3位は十八親和銀行で、同2,157億円増の5兆6,111億円(同4..0%増)。親和銀行と十八銀行は20年10月に合併して十八親和銀行となり、3位に躍進した。20年6月期は十八銀行が6位、親和銀行が9位だった。NCDは同1,185億円増の2,582億円(同84.8%増)。シェアは10.3%で、ここまでが10%超となっている。
4位は肥後銀行で、同1,817億円増の5兆3,083億円(同3.5%増)。NCDは同343億円増の1,104億円(同45.1%増)。5位は鹿児島銀行で、同2,202億円増の4兆7,658億円(同4.8%増)。NCDは同1,656億円増の2,399億円(同222.9%増)と大幅に増加した。6位は大分銀行で、同1,252億円増の3兆4,200億円(同3.8%増)。NCDは同482億円増の1,472億円(同48.7%増)となった。
7位は宮崎銀行で、同1,454億円増の2兆9,593億円(同5.2%増)。NCDは同1,047億円増の1,188億円(同742.6%増)と大幅増を示した。8位は佐賀銀行で、同891億円増の2兆7,976億円(同3.3%増)。内訳を見ると、預金残高は同57億円減の2兆6,935億円(同0.2%減)。九州地銀17行のうち、同行のみがマイナスとなっている。前期は93億円だったNCDを948億円増の1,041億円(同1,019.4%増)と大幅に増加させて、総預金残高を同3.3%増にしている。宮崎銀行と佐賀銀行の2行が総預金残高2兆円台となった。
9位は熊本銀行で、同423億円増の1兆6,215億円(同2.7%増)。NCDは前期から増減なしの6億円と、取り込みの少なさが目に付く。10位は北九州銀行で、同596億円増の1兆2,493億円(同5.0%増)。NCDは同134億円増の1,000億円(同15.5%増)。この2行が総預金残高1兆円台となった。
11位は筑邦銀行で、同436億円増の8,227億円(同5.6%増)。NCDは同213億円増の251億円(同560.5%増)と大幅に増加した。
12位は南日本銀行で、同68億円増の8,128億円(同0.8%増)と微増。NCDは前期から増減なしの300億円。南日本銀行以下は第二地銀となっている。・13位は宮崎太陽銀行で、前期比+261億円の7,176億円(+2.3%)。NCDはゼロ。14位は豊和銀行で、同102億円増の5,765億円(同1.8%増)。NCDは同59億円増の200億円(同41.8%増)。
15位は福岡中央銀行で、同602億円増の5,654億円(同11.9%増)と大幅な増加。前期は1億円だったNCD を同165億円増の166億円としたことが主因である。16位は長崎銀行で、同86億円増の2,614億円(同3.4%増)。NCD は同83億円増の151億円(同122.1%増)。NCDにより、総預金残高の増加を調整していることが読み取れる。17位は佐賀共栄銀行で、同51億円増の2,514億円(同2.1%増)。NCD は九州地銀17行のなかで、同行と宮崎太陽銀行の2行だけがゼロとなっている。
次に【表(2)】を見る。ここでは、九州地銀の金融グループ(3社)の総預金残高順位を示している。
1位はふくおかFGで、前期比6,577億円増の20兆1,461億円(前期比3.4%増)。うちNCDは同4,373億円増の7,144億円(同157.8%増)。金融グルーブ3社に占めるシェアは50.3%と過半数を超えている。
2位は九州FGで、同4,025億円増の10兆591億円(4.2%増)と10兆円の大台に。NCDは同1,998億円増の3,471億円(同135.6%増)。シェアは25.1%。
3位は西日本FHで、同3,891億円の9兆8,730億円(同4.1%増)。NCDは同1,484億円増の3,369億円(78.7%増)。シェアは24.6%となった。
<まとめ>
九州地銀17行の総預金残高合計は、前期比+2兆209億円の54兆3,936億円(+3.9%)となっている。平均の3.9%増を超えた銀行は7行で、残り10行は下回っている。NCDの取り込みによって総預金残高を調整しているように見受けられるが、総じて第二地銀は厳しい状況にあるようだ。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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