JR久留米駅前第二街区の市街地再開発事業が11月に本格始動
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久留米市のJR久留米駅前東口の第二街区市街地再開発事業の基礎工事が11月中に始まる見通しになった。進行中の埋蔵文化財の発掘調査の一部が10月に終了するためで、地上36階建て超高層マンション(タワーマンション)を核にした再開発事業が本格始動する。
JR久留米駅は、九州新幹線と在来の鹿児島線、久大線の併設駅。駅舎東口(まちなか口)から南東の市街地方面に延びる通称・昭和通り沿いの南側に35階建てタワーマンション「ザ・ライオンズ久留米ウェリスタワー」(高さ120.6m)がそびえる。その建物の北側正面の一角は高いフェンスに囲まれている。
土地の広さは約7,900m2。「JR久留米駅第二街区」と呼ばれ、土地の権利者17人が市街地再開発組合を設立。完成後のビルの床面積に土地の権利を反映させる権利変換計画が2020年2月に福岡県知事の認可を得た。
一方、一帯は久留米城跡に近く、江戸期の「京隅(きょうぐま)侍屋敷遺跡」エリアにすっぽり入る。このため同市文化財保護課が今年1月から来年2月までの計画を立てて遺跡の発掘調査を進めている。
一方、再開発計画は敷地の西側に36階建てタワーマンション(延床面積約63,500m2)、東側に2階建ての商業ビル(同約3,000m2)を建てる。マンション敷地の発掘調査は10月中に終わるめどが立ち、11月中に基礎工事を始められるという。マンションの高さは約130m。福岡県では福岡市のアイランドシティのタワーマンション3棟に次ぐ4番目の高さ。
完成後は、南側の35階建てマンションとともに久留米市のランドマーク的存在になるとみられる。
そのタワーマンション棟は3階~9階がシニア向け住宅115戸、夫婦2人暮らしを想定し間取りは1L~2L。大和ハウスグループの「(株)コスモスイニシア」(東京都港区)が売り出す。
10階~35階は一般向け住宅343戸。最小最も間取りの広い4LDKから最小間取りの1LDKまで。最多間取りは3LDK。36階は眺望を生かした共用スペースの展望所を配置する。
入居者の駐車場は「タワーパーキング」で確保し、1階はエントランスホール、2階を駐車場と住宅の出入口にする。大和ハウス工業(株)(大阪市)、(株)大京(東京都渋谷区)、三菱地所レジデンス(株)(東京都千代田区)、西日本鉄道(株)(福岡市)でつくる共同企業体が販売する。
隣り合う2階建ての商業ビルは屋上に駐車場を配置する。発掘調査が終了する来年2月以降に基礎工事に入る段取りという。
第二街区市街地再開発組合事務局は「私どものマンションが完成すると、駅前東口近くだけで19階建て以上のマンション3棟が立地し、合わせると900戸を超える住宅が集中する。ところが、近くには食品スーパーがない。商業ビルに大手食品スーパーを誘致して再開発事業の目玉にしたい」と話す。
第二街区市街地再開発事業の完成予定は25年11月。総事業費は現時点で208億2,000万円。うち88億2,000万円は国交省、福岡県、久留米市が補助。残り120億円は分譲マンションの販売代金などを充てる。
久留米市は、JR久留米駅から市役所・久留米商工会議所までの昭和通り、西鉄久留米駅から六ツ門地区に延びる明治通り、両方の通りを結ぶ三本松通りを軸にしたエリア153haを中心市街地と位置付けまちづくりに取り組んでいる。
【南里 秀之】
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