2024年12月23日( 月 )

中国経済新聞に学ぶ~深圳「前海構想」発表、中国マンハッタンを目指す(前)

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深圳市 イメージ 中国共産党中央と中国国務院(中国政府)は6日、広東省深圳市で開発が進む「前海深圳・香港現代サービス業協力区(前海深港現代服務業合作区)」の面積を8倍に拡大することなどを盛り込んだ新プラン「前海構想」を発表した。米国系国際会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツは13日、「香港の活力源になる」と高く評価した。

 前海協力区は深圳市の西部、南山区と宝安区の海岸沿いの境に位置し、広深高速・沿江高速・南坪快速といった高速道路へのアクセスが容易で、蛇口・赤湾・媽湾の3つの港や深圳宝安国際空港と香港国際空港とも近接しており、珠江デルタ地区の地理的な中心地として、陸海空の交通の利便性が非常に高い地区である。

 前海協力区は2012年6月に中央政府に承認され、埋立地を含めた総面積は約15km2であった。今回発表された「前海構想」により、総面積は120km2に拡大する。香港とマカオの経済を広州や深圳、珠江デルタに属する他都市を含む大湾区に統合する計画の一環となる。

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 詳細が欠けていた同計画は、越境型の証券投資拡大の支援や香港金融市場との相互接続の試行、人民元の越境使用容認、為替管理の利便性向上など、金融セクターのさらなる開放とサービス貿易の自由化を前海協力区に求めている。

 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は香港政府公表の声明で、「前海に関する今回の計画が香港と深圳の協力をより高い水準へと引き上げ、両都市が大湾区の発展を促す『2つのエンジン』としての機能をはたすことが可能になる」とコメントした。

 中国政府が発表した「前海深港現代型サービス業協力区における改革開放の全面的深化構想」によると、前海深港現代型サービス業協力区の開発・建設は香港地区の経済・社会の発展を支援し、広東省、香港地区、澳門(マカオ)地区の協力レベルを引き上げ、対外開放の新局面を構築するための重要な措置。粤港澳大湾区(広州・仏山・肇慶・深圳・東莞・恵州・珠海・中山・江門の9市と、香港、澳門両特別行政区によって構成される都市クラスター)建設の推進、深圳の中国の特色ある社会主義先行モデル区建設への支援、香港同胞の祖国への求心力の増強にとって重要な意義がある。

 この「前海協力区」の発展の目標は、25年をめどにより高いレベルの開放型経済新体制を構築・整備し、世界的な競争力をもつビジネス環境をほぼつくり上げ、先端の要素が集積し、波及作用が突出した現代型サービス業が勢いよく発展するようにし、複数駆動型イノベーションシステムが際立った成果を上げられるようにし、粤港澳大湾区の発展に対するけん引効果がますます顕在化するようにすることである。

(つづく)


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