ひとの命を預かり夢をかたちにする 技術と心を次世代に
-
(株) 宮村鉄筋工業 代表取締役 宮村 博良 氏
鉄筋工事はなくならない
「技術と信用」を合言葉に当社を創業し、地域の発展に貢献する企業を目指し続けて、今年で37年になります。私が鉄筋工業界に入職して働き始めたのは19歳の時でした。当時は若い職人がたくさん働いていましたが、彼らとともに多くの現場を手がけながら、鉄筋工職人としての技術や技能を磨き、日々成長を実感していったあの頃を思い出します。
コンクリート建造物は社会のインフラです。その躯体工事において、鉄筋工事は、かけがえのない人命を守るために、しかるべき強度であることを確認しながら建物の骨組みをつくる重要な工程です。のみならず、鉄筋工事での施工スピードは建設工事全体の進行に大きく影響しますから、現場をスムーズに進行させるためには熟練職人の存在が欠かせません。私はそうした重責を負う鉄筋工の一職人として、経験と実績を積み上げてきました。
鉄筋工事は未来へ向かって夢を抱ける、いつまでもなくならない仕事であると、私は考えています。なぜなら、人体でいえば骨格に相当する部分をつくるこの仕事、この先、今の鉄筋工事に代わる新たな技術や工法が世に出るまでは、鉄筋工の職人技が求められ続けると確信しているからです。職人側も、自分が入った長期間の現場が完了したときや、天を仰ぐほど高層の建物が完成して空を見上げたとき、筆舌に尽くしがたい達成感、満足感をおぼえるものです。しかもそれは、オーナーの夢や想いがかたちになったものであり、後世まで残っていくもの。そこに参与できたという誇りは、自分自身が夢に向かって歩むうえでの糧となります。
職人を育て残すために
建設業界はいま、「2025年問題」と呼ばれる深刻な課題に直面しています。少子高齢化にともなう人材不足の一端で、国交省の推計では、手に技術を持つ技能労働者=職人が約298万人と試算される一方、2025年度に必要な技能労働者は333万人から379万人に達します。つまり、最大で80万人以上にのぼる人材が不足する可能性があるのです。
建設業は全産業で4番目に高齢化が進行していると言われますが、入職者の福利厚生制度の完全加入と賃金向上の改善が人材不足解消の要であると、私は声を大にして言いたいと思います。職人のモノづくりが適正価格で評価されるからこそ、入職者が技に打ち込めるような、安定した暮らしができるからです。
私は鉄筋業界で2つの役割を仰せつかっております。(公社)全国鉄筋工事業協会・福岡県鉄筋事業協同組合の理事長と、九州鉄筋工事業団体連合会の会長です。この業界の将来のために、職人が入職しやすく10年先も安心して働き続けられるような労働環境の整備や、後継者を育成するための体制づくりを目指し、今後も尽力していくつもりです。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:宮村 博良
所在地:福岡県大牟田市大字草木43-17
設 立:1987年2月
資本金:1,000万円
TEL:0944-54-7776
URL:https://miyamura.co.jp
<プロフィール>
宮村 博良(みやむら ひろよし)
1960年6月熊本県生まれ。19歳で鉄筋工業界に入職し、84年6月、鉄筋工事の請負施工を目的に創業。87年2月、(有)宮村鉄筋工業を設立。92年4月、株式会社に改組して現在に至る。関連キーワード
関連記事
2024年11月28日 12:102024年11月20日 12:302024年11月11日 13:002024年11月27日 11:302024年11月26日 15:302024年11月22日 15:302024年11月18日 18:02
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す