2024年11月14日( 木 )

世界平和に向けて(26)ベトナム工商短大が福岡に初の海外事務所を開設、オンラインで実習生らの高学歴化を支援

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 ベトナム工商短期大学(ハノイ市)は10月30日、同大学の副学長にGAG日本語学院(福岡市博多区)校長のグェン・ズイ・アン氏(在福岡ベトナム人協会会長)を任命するとともに、初の海外事務所となる日本事務所を開設した。今後、ベトナム工商短大が日本在住のベトナム人向けにオンラインで教育プログラムを提供する。修了すると、ベトナムの短期大学の正規の卒業資格を日本で取得できるという。

左:副学長に就任したグェン・ズイ・アン氏 右:ヴー・ビン総領事(右)から任命を受けるグェン・ズイ・アン氏
左:副学長に就任したグェン・ズイ・アン氏
右:ヴー・ビン総領事(右)から任命を受けるグェン・ズイ・アン氏

 式典はベトナム工商短大とOne Sky Group(GAG日本語学院を含む日本語教育関係機関で構成)が共催、オンラインでベトナムと結ぶかたちで実施された。式典には日本の大学、専門学校、日本語教育機関、実習生監理団体、企業関係者60人が参加したほか、同短大の学生・教職員約2,000人がオンラインで参加した。在福岡ベトナム総領事のヴー・ビン氏が代理で副学長の任命式を行った。

左:式典の様子 / 右:関係者一同

 ベトナム工商短大は、留学、インターンシップ、単位認定留学プログラムなど、日本側の各機関との間でさまざまな取り組みを展開している。今回の日本事務所開設により、日本の大学、短期大学、日本語学校および日本企業との連携をさらに深める。

 ビン総領事はこのプログラムについて、留学生、技能実習生、特定技能外国人およびその家族として日本に在留するベトナム人が、より広い将来展望をもてるようになる機会を提供するものと高く評価し、大いに期待すると述べた。

 アン副学長によると、ベトナムの高等教育機関が海外事務所を開設するのは初めて。新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン化が進んでいることから、授業はすべてベトナム側と結ぶかたちで実施することを構想し、すでに北は北海道、南は沖縄まで問い合わせを受けている。

 技能実習生がベトナムへ帰国後、現地日系企業への就職などステップアップを図る際にネックとなるのが学歴という。今後ベトナムでの事業展開などを検討している企業にとって、実習生は将来の現地スタッフ候補となる。

 アン副学長は、実習生を受け入れている一部の企業からは、実習生の将来のキャリア形成のために、プログラム受講への便宜を図ろうという理解を得られており、今後も実習生らベトナム人在留者、日本企業の双方にとって良いかたちの教育プログラムを提供したいと述べた。

 募集学科はIT、日本語、経営、電気・電子工学、自動車技術、観光、電子商業の7学科。

<問い合わせ先>
ベトナム工商短期大学日本事務所(GAG日本語学院内)
所在地:福岡市博多区山王2-11-2
TEL:092-260-9692
E-mail:phuong@gag-japan.co.jp 

【茅野 雅弘】

(25)
(27)

関連記事