建物の解体を通じて 持続可能な社会づくりに貢献
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(株)井手解体実業 代表取締役 井手 隆彦 氏
解体ではなく分解、資源の有効活用を徹底追求
住宅、ビル、工場などの解体工事を行う専門家集団・(株)井手解体実業が産声を上げたのは、今から約20年前の2001年7月。解体と聞くとただ壊すだけのイメージだが、同社は建物は重要な資源であるとの観点から「解体」ではなく「分解」し、鋼材や建材はリサイクル品として蘇らせて、廃棄物を極力出さない努力を積み重ねている。「分解」作業は福岡県久留米市に開設した同社のグループ会社である産廃リサイクル工場((株)LOHAS)が担う。工場に持ち込まれる混合廃棄物は専用の分別機にかけられ、一部セメントの原料や燃料(圧縮梱包品)、埋立処分となる混合廃棄物になるものをのぞき、金属、紙、木、塩化ビニールなどを本来の姿に再生。現在は97%のリサイクル率を目指し、全社一丸となって取り組んでいる。
リーマン・ショックがターニングポイント、最大のピンチを最大のチャンスへ
2001年のスタート以来、順調に業績を伸ばしてきた同社だが、試練は突然訪れる。2008年のリーマン・ショックである。売上が約40%下落し、業務の効率化が求められることになったが、同社の躍進は実はこの時から始まる。これまでの経営状態を総点検し、無駄と思える経費を見直し、経営のスリム化を図った結果、売上は数年で持ち直し、その後は右肩上がり。現在では年商20億円を超える企業へと成長した。
同社の井手隆彦社長は、「今はSNSが発達し、人と人が直接触れ合うことが少なくなっています。この傾向は何とか改善しなければいけません」と話す。「子どもへのまなざし運動ポスター」を掲示し、地域の子どもたちに大人から積極的にあいさつする、通学路等に危険な箇所がないか確認し、気づいたことは学校などに連絡するといった活動を通じて、健全な青少年の育成に力を注いでいる。サガン鳥栖やソフトバンクホークスのスポンサーとなっている理由も、両チームを応援する子どもたちが試合を通じて礼儀やマナーを学んでほしいという気持ちが大きい。
同社はまた、地域社会におけるボランティア活動にも積極的に取り組んでいる。2021年6月、「さが中山間協働応援隊」として、佐賀市久保泉町の一集落において広範囲にわたる除草作業を行い、地元住民との親睦を深め感謝の声をいただいた。佐賀県医師会に医療物資を届けるなどの活動も行っている。こうして本業とともに地域社会とのつながりを大切にする同社だが、空き家問題が深刻さを増しつつある昨今、その解決に貢献する企業として同社の出番はますます増えていきそうだ。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:井手 隆彦
所在地:佐賀市久保泉町大字上和泉798-10(佐賀事業所)
設 立:2001年7月
資本金:2,000万円
TEL:0952-37-7671
URL:https://idekaitai.co.jp
<プロフィール>
井手 隆彦(いで たかひこ)
1977年7月19日生まれ、佐賀市出身。17歳のときに現在の事業につながる解体業者に就職。知識やスキルを身に着け、2001年7月に(株)井手解体実業を設立。2022年4月には持株会社制を整え再スタートする。趣味は、野球、ゴルフ、マラソン。法人名
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