建物や鉄道の安全性を保証する 「絶対品質」の鉄筋・レール継手とは
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(株)アクティス 代表取締役 河村 貴夫 氏
主軸に育ったレール継手
(株)アクティスが掲げる企業理念は「絶対品質」だ。同社は鉄筋コンクリート造の建物に使用される鉄筋継手工事や鉄道のレール継手工事を手がける。継手とは、溶接や圧接によって部材同士をつなぐ作業を指す。ビルやマンションを支える躯体、鉄道を円滑に走らせるレール、いずれも完璧な安全性が求められることから、同社は「絶対品質」を理念に掲げた。
同社の強みは、レールの継手を担う技術力の高さだろう。レールは一度敷けばそれで終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要だ。技術力の高さは、日本で一番乗降客が多い東京メトロのレール溶接工事を手がけていることが裏付けている。
レール事業のさらなる拡大も図っており、各路線で必要な工事前準備の合理化をすすめるほか、各営業所のIT化を行うことで、マネジメントタイムの圧縮に努めているところだという。このような合理化を抵抗なく推進できるのは、同社がこれまで施工技術のマニュアル化を徹底してきたことが大きな要因となっている。社員の資格取得を積極的に推進し、一人前の人材を通常の半分の期間で育てる仕組みも構築した。人材育成に力を入れる同社・河村貴夫社長は、「レール溶接業界は高齢化が課題の1つです。そこで私たちは、社内で培った育成力を技術部として進化させることで、現場で必要とされる人財を育てていきます」と話した。
鉄筋継手では「天然ガス」採用へ
さらに、祖業である鉄筋事業でも差別化を図る。「絶対品質を実現できる技術力」を高め、同社が開発に成功した高強度鉄筋専用継手・3CW工法は、機械式継手と溶接継手の利点を生かした日本初の工法として注目され、販路の拡大につながった。
また、2021年4月からは天然ガスの採用を開始。鉄筋の溶接継手では、一般的にアセチレンガスが使用されるが、近年多用される高強度鉄筋には適していないことや環境配慮などの観点から、福岡ではまだ取り扱いが少ない天然ガスの採用に踏み切った。河村社長は、ビル・マンションの開発計画が相次ぐ福岡市内で、「天然ガスを使用した鉄筋継手を普及させていきたい」と意気込む。
社長就任から20年、河村社長は次期社長を社員から指名した。社長交代は10年後を予定しているという。「社内のことはすでに次期社長にまかせています。ただ、私には社長交代までに次代の基盤をつくるミッションがあります。これからの人財を育て、受注基盤を強化し、未来の戦略を示す。次期社長にはこれを基盤にアクティスをさらに成長させてほしいと願っています」(河村社長)。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:河村 貴夫
所在地:福岡県大野城市仲畑4-2-38
設 立:1977年2月
資本金:1,000万円
TEL:092-501-5963
URL:http://www.aqtis.biz
<プロフィール>
河村 貴夫(かわむら たかお)
1961年5月生まれ。福岡大学卒業後、(株)アクティス(当時・(株)九州三協)に入社。2004年、代表取締役に就任。東京メトロGP工事に着工するなど、レール継手事業を躍進させた。趣味は音楽にゴルフ。
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