顧客はいるが事業の引き継ぎ先がいない
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設立43年を迎える屋根工事業者。地域に根ざした事業の営みを続け、相応の受注基盤を形成してきたが、創業者で現代表A氏が70歳を超えて高齢となったことで、事業の引き継ぎ先を模索している。
自社で板金加工を行う機動力と、細やかな技術工夫が支持されてきたことで同社は信頼と実績を築いてきたが、社内での人材育成が実らなかったため、次世代の工事業者への事業引き継ぎを検討している。
ところが、昨今の同業者は、孫請けの仕事ばかりをこなすためか、A氏が求める水準での見積作成ができず、築いてきた顧客基盤を安心して引き渡す先がなくて困っているという。高齢だから事業を手仕舞いするという安易な選択をとれない職人だからこそ、これまで事業を継続できてきたのだろうが、改めて顧客評価と人材育成の両輪が持続的な企業経営には不可欠であることを思い知らされる。
【児玉 崇】
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