2024年11月29日( 金 )

環境保全意識の高まりを追い風に 紙製品販売で環境保全に貢献

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(株)網中 代表取締役社長
網中 裕城 氏

 紙を中核とする総合商社、物流を強みにいち早く顧客に配送

(株)網中
代表取締役社長 網中 裕城 氏

 北九州市で紙の専門商社としてスタートし、60年以上の社歴を誇る(株)網中。いまや東京、大阪でも事業を拡大し、紙業を中心に幅広いサービスを提供する総合商社へと成長を遂げている。同社の強みは広大な倉庫群だ。全国で倉庫を7つ構え、販売・保管・配送の体制を確立。今後は東京、大阪を含め各地に倉庫を設置したいと意気込む。

 コロナ禍で紙製品の事業環境は厳しくなるものの、現時点では顧客1人あたりの紙の消費量に大きな変化はないと、代表取締役社長・網中裕城氏は語る。環境保全意識の高まりを受けて、紙資源節約の潮流がある一方、環境負荷の大きいプラスチックなどから原材料を紙とする商材へ切り替える動きも出てきており、網中氏はこれを追い風としたいと意欲を示す。

 現在、コーヒーチェーン店などにおいて紙製ストローへの切り替えが押し進められているほか、コップ、皿などの容器も紙にという動きも見られる。同社は10年ほど前から紙製ストローの取り扱いを始めたが、取扱量は年々増加傾向にある。環境を意識して紙への変更を顧客に提案し、環境負荷の少ない紙製品を提供することは、SDGsに資すると話す網中氏。今後、パッケージ用の包装資材などについても、コストよりも環境を重視する観点から、長期的には紙製品に切り替えられていくだろうと指摘する。

人的資本と人間関係を重視、働きやすいオフィス環境を構築

 同社が最も重視するものは、顧客との人間関係だ。顧客の状況、ニーズをきめ細かく把握し、それに最大限に応えようとする姿勢は顧客に伝わるもの。「網中ならどんな要望でも対応してくれる、時代の要請に合った商品ラインナップをそろえている」という信頼を勝ち得てきたのも、そうした積み重ねがあってのことだ。

 グループ企業のキングテック(株)が学校・病院・官公庁などに事務・OA機器、事務用品などを販売している。同社はオフィスのデザインの企画・提案も行う。自社オフィス建替えに際してもこの経験は存分にいかされ、機能的、開放的かつ洗練された職場環境が整えられた。

リクライニングチェア

 ユニークな点は、リクライニングシートを備えた広い休憩室を設け、休憩時間の制限をなくしたことだ。昼休憩で不足するのであれば長く休み、その分ほかの時間帯に業務に当たればそれでよしというおおらかさ。この考え方は定着し、休憩室はいまや多くの社員にとって、柔軟な働き方で意欲と生産性を上げるために欠かせない存在となっている。

 このようなことが成り立つのも、真面目な人材が集まっている同社だからこそだろう。紙業という、決して華やかではないが社会生活の基盤となる資材を扱う同社。網中氏は、同社の魅力は堅実な事業を営んでいることであるとして、実直な人材にぜひ来てほしいと話す。社員の勤続年数は長く、若手の抜擢に取り組みつつも、新卒採用・終身雇用を維持し、長く働ける持続可能な職場環境を整えているといえよう。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:網中 裕城
所在地:北九州市小倉北区東港2-5-1
設 立:1958年4月
資本金:3,050万円
TEL:093-561-4111
URL:http://www.aminaka-group.co.jp


<プロフィール>
網中 裕城
(あみなか ひろき)
1964年3月、北九州市生まれ。学卒後、89年に(株)コクヨに入社。91年に網中に入社、取締役就任。製紙メーカーと紙問屋、取引先とのルーチンな取引慣行があるなかで、いち早く海外メーカーの製品を取り扱い、価格競争力で風穴を開ける。12年10月に代表取締役社長に就任。

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