終わりの見えないコロナ禍で利益拡大に走るワクチンメーカー(中)
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国際未来科学研究所
代表 浜田 和幸ワクチン至上主義に反旗、イスラエル
オミクロン株は急速に拡散を続けています。ワクチン接種が世界で最も進んでるイスラエルですが、2回の接種が終わった人々の間でオミクロン株による感染が確認されるケースが増えており、厄介な状況が発生しました。自らが科学者でもあるイスラエルのベネット首相は緊急事態宣言を発令することに。
曰く「24時間体制で感染対策を徹底させます。イスラエル軍の協力を得て、感染者や濃厚接触者は全員、“キャンプ・コビッド”に隔離し、検査と治療を受けさせます」。イスラエルでは「ハヌカー」と呼ばれるユダヤ教の祝日を迎えたのですが、オミクロン対策で大きな祝賀行事はすべて中止となりました。
ワクチン接種の先進国と目されるイスラエルですが、国民の多くが3回目の接種を完了したにもかかわらず、感染が収まらないため、保険健康省から「永久的にワクチン接種が欠かせない」との警告が発せられるありさまです。日本ではオミクロン株の登場を機に、ワクチン接種の3回目が推奨されるようになってきました。
イスラエルでは4回目の接種が義務付けられています。しかし、保険健康省のワクチン政策委員会のメンバーでイスラエル最大の病院の副院長を務めるエフェック教授によれば、「これからは5回目、6回目、7回目の接種が必要になるはずで、その次に検討の俎上に上るのは永久接種」とのことです。
同教授曰く「もうこれ以上のブースター接種は要らないのでは、と考える人は間違っています。アフリカなどではワクチン接種を済ませているのは少数しかいません。ということは、これからも変異種が生まれるということです。その予防にはワクチン接種が欠かせません」。
こうしたイスラエル政府の「終わりなきワクチン接種の旅」宣言に、最も喜びを隠しきれないのがファイザーのボウラ社長です。すでに莫大な利益を手にしていますが、今後、イスラエルのみならず、世界中で毎年、ワクチン接種が継続されることになれば、天文学的な大儲けになることは間違いないからです。
途上国やWHOからワクチン製造方法を開示してほしいとの要請が相次いでいるにもかかわらず、相変わらず、「知らぬ存ぜぬ」を続けています。
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ワクチン接種をめぐる攻防戦の行方、プラスチック汚染も誘発(前)パンデミック発生当初、ワクチン接種は1回か2回と言われていましたが、それが3回になり、今や4回、5回では済まず、毎年、死ぬまで、接種が必要ということになりそうです。日本ではまだ3回で止まっているわけですが、このままでは、遅かれ早かれ、年中行事のようになるに違いありません。
なぜなら、欧米の大手ワクチンメーカーは強大なロビー組織として君臨しているうえに、バイデン大統領などは言いなりになっているからです。ファイザーもモデルナも2020年の大統領選挙ではトランプ、バイデン両陣営に多額の政治献金を提供していました。どちらに転んでも、太い政治的パイプを活かして利権確保に走ろうということです。
とはいえ、イスラエルでは、ワクチン至上主義に反旗を翻す動きも出てきました。テルアビブ大学の研究チームはワクチンに頼らずとも海藻から抽出した多糖類がコロナウイルスの感染を食い止める効果があることを突き止めたと発表したのです。彼らは日本人の食生活から多くの示唆を得たと言います。
我々、日本人が意識せずに食している海産物にコロナウイルス撃退のカギが隠されていたという驚きの発見です。まだ、研究の初期段階とのことですが、ピアレビューも終わり、その応用が大いに期待されています。
歴史を紐解けば、1892年11月30日、北里柴三郎はドイツでの細菌学の研究を終え、帰国すると福沢諭吉の支援の下、伝染病研究所を立ち上げました。彼は破傷風やジフテリアの抗毒素を発見し、血栓療法の基礎を確立したことで、世界的に高く評価される細菌学者です。今日でも、ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智博士が所属するのが北里大学に他なりません。
その大村博士が開発に係わって完成したのがイベルメクチンと呼ばれる感染症の治療薬です。このところ世界を席巻している新型コロナウイルスに対しても、治療効果があると、大村博士はお墨付きを与えています。小生の知人もコロナで入院した際に、イベルメクチンを飲み、回復したと喜んでいました。
しかし、この安価で錠剤のため簡単に飲める特効薬は日本でも世界でも広まっていません。欧米の大手ワクチンメーカーからすれば、「そんなに安い薬は売っても儲からない」ということでしょうか。日本発の治療薬が世界のパンデミックの救世主になる可能性もあるわけで、それが広がらないのは残念な気がしてなりません。
(つづく)
浜田 和幸(はまだ・かずゆき)
国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局などを経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選をはたした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員も務めた。最新刊は19年10月に出版された『未来の大国:2030年、世界地図が塗り替わる』(祥伝社新書)。2100年までの未来年表も組み込まれており、大きな話題となっている。最新刊は『イーロン・マスク 次の標的「IoBビジネス」とは何か』(祥伝社新書)。関連キーワード
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