2024年11月23日( 土 )

地銀の経営統合~金融持株会社のSBIが参入(後)

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 【表4】は、地銀との提携を積極的に進めている持株会社のSBIホールディングス(HD)の役員名簿である。

 SBIHDは設立当初、ソフトバンクグループの企業だったことから「SoftBank Investment」だったが、その後同グループから独立し、「Strategic Business Innovator」(戦略的事業の革新者)に変更している。

 2019年、北尾吉孝代表取締役社長(CEO)は「地銀連合構想」を掲げ、SBIHD(グループ会社含む)が出資する共同持株会社の下に経営難となった地銀と連携し、SBIHDのフィンテックや運用技術を提供して成長軌道に乗せ、地銀の連合体を「第4のメガバンク」とすることを目指すと表明した。

 【表1】を再度見ていただきたい。その最初の地銀として、2019年9月に経営が悪化していた島根銀行へグループ全体で25億円を出資し同行の筆頭株主となり、森田俊平専務取締役を取締役として派遣した。その後、福島銀行にも出資して筆頭株主となり、筑邦銀行、清水銀行、東和銀行、仙台銀行・きらやか銀行(じもとHD)、筑波銀行とも資本業務提携を行った。

【表4】SBIホールディングス役員15名の履歴表(社内8名、社外7名)
【表4】SBIホールディングス役員15名の履歴表(社内8名、社外7名)
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 SBIHDは都銀の新生銀行を傘下に収めることに何とか成功したが、その強引なやり取りがメディアによって詳細に報じられた。これまでは順調に地銀との資本提携を進めてきたが、地銀の経営陣の反発を買うことになるのではないだろうか。

 日銀のゼロ金利政策や新型コロナウイルスの影響を受けて厳しい経営状況にあり、経営統合しなければ生き残ることができない地銀は多い。しかし、これからはSBIHDと資本業務提携を行うのではなく、地銀同士の経営統合を選択する銀行が増えるのではないだろうか。

(了)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

(中)

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