コロナ禍で福岡から消えゆくパチンコホールたち
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昨年に引き続き、2021年もコロナ禍に翻弄された1年だった。密閉・密集・密接の3密回避が推奨され、客に来訪してもらう“待ちのビジネス”を展開するパチンコホールは苦戦を強いられた。
スマホで手軽に遊べるゲームアプリや競馬・競艇などの公営ギャンブルの台頭も、パチンコ・パチスロの市場縮小に拍車をかけた。かつて約30兆円を誇った市場規模は約14兆円にまで半減した((公財)日本生産性本部『レジャー白書2021』参照)。
こうした状況のなか、今年8月に「ビッグアップル.太宰府店」が営業を停止。これにより、福岡から「ビッグアップル.」が消えた。長崎でも住吉店、モナコ住吉本店の2店舗の営業を停止するなど、不採算店舗の閉店を進めている。
運営するオークラホールディングス(長崎市元船町)は、コロナ禍以前の19年6月期には81億5,700万円の売上高を計上していたが、21年6月期は54億2,300万円にまで減少し、最終損益は5億7,700万円の赤字となった。残された店舗はお膝元の長崎を中心に、山口、兵庫、東京、神奈川で合計12店舗となっている。
福岡を拠点に「ファンファクトリー」を展開する(株)栄興産は今年11月、栄周船寺店を閉店した。
改正風営法の施行により、旧規則機の撤去を進めなければならず、台を撤去した後の空いたスペースにベニヤ板を設置する状態が続いていた栄周船寺店。許可業の宿命とはいえ、同店に限らず、規制強化とファン離れの連鎖を前に、閉店を決断したパチンコホールは少なくない。
栄周船寺店はJR九大学研都市駅と周船寺駅の中間点にあり、九大伊都キャンパス誕生以降、開発が活発な北原・田尻エリアの近接地でもあり、好立地といえる。
土地・建物ともに栄興産が所有し、土地の面積は901.92m2。建物の概要はS造2階建て、延床面積は1階が1,258.43m2、2階は302.18m2となっている。また、同店の1階には「辛麺屋 玄風」が入っている。九大生や近隣住民に人気で、お昼には順番待ちができるほどだ。
規制強化にコロナ禍と、逆風のなかで営業を強いられてきたパチンコホール。減り続ける店舗数だが、ホール運営業者からは「今までが多すぎたんです。適正規模に戻っているだけだと考えています」という声もあり、むしろ歓迎する向きもある。
娯楽の多様化が加速度的に進むなか、パチンコ・スロットは生き残れるのか。噂される規制緩和の実施と管理遊技機の登場は吉と出るのか凶と出るのか。22年の遊技業界の動向が注目される。
【代 源太朗】
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