2024年11月24日( 日 )

再起決意のスター高橋、糸島のこれまでとこれからをつなぐ橋渡し役に

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 現職対新人の一騎打ちという構図と、挑戦者の高橋徹郎氏が「スター高橋」の愛称で知られる有名人ということもあり、話題を集めた2018年の糸島市長選挙。敗れはしたものの、「糸島を楽しくしようぜ」というキャッチフレーズの下、高橋氏が訴えたまちづくりの在り方は1万7,653票の支持を集めた。

 高橋氏は22年1月30日投開票となる糸島市議会議員選挙への立候補を表明。市議選への挑戦を決意した経緯などについて話を聞いた。

まだ糸島のためにやれることがある

高橋 徹郎 氏
高橋 徹郎 氏

    ──まずは今回市議選への挑戦を決意した経緯についてお聞かせください。

 高橋徹郎氏(以下、高橋) 市長選の後、小説や映画の脚本を執筆する機会をいただくなど、仕事の幅は広がっていたのですが、昨年の春頃から「これからどう生きていくべきか」について、深く考えるようになりました。

 そのころは市長選の結果と市議を分けて考えるようになり、「私は糸島市議会議員として糸島のまちづくりに携わってきたが、まだやり残していることがあるのではないか」という思いが日を追うごとに強くなっていきました。

 そして、市民の皆さんにもう一度信任いただけるならば、これまでにできなかったことを実現させることで、糸島に貢献していきたいと考え、市議選への気持ちを固めました。それが昨年10月頃のことです。

 ──信任された場合、市政を内と外の両側から見てきた強みが生かせそうです。

 高橋 運動公園整備と新庁舎建設は計画通り進んでいきますので、今後計画されている事業などに関して、予算の使い方として適正なのかどうか、チェック機能の役割をはたしていければと考えています。また、今回の市議選は、立候補せずに引退を決断されたベテラン議員が複数人いる一方、30代から40代の比較的若い世代の立候補者が多いため、結果によっては世代交代が一気に進むことになります。

 議会における初歩や基本を教えるなど、私にも担えることは少なくないと思います。ベテランと新人の間で、コミュニケーションが円滑に進むよう努めていきます。

 ──糸島市議会は会派が多いのでしょうか?

 高橋 少なくとも私が議員だったころは会派はなく、地元選出の国会議員を応援する市議のグループが1つあるのみでした。そのグループに属している・いないに関わらず、相談し合える風通しの良い議会でした。逆にいえば、誰が誰の面倒を見るといった教育体制が系統立ててあるわけでもなかったので、前述の通り、その部分で新人の力になれればと考えています。

誰もが暮らしやすい糸島を目指して

 ──今回の選挙で信任された場合に力を入れていきたいことなどについて、お聞かせください。

 高橋 大きく4つ考えています。1つは議員間のコミュニケーションをより一層垣根なく行えるように、橋渡し役を担っていきたいということ。

 2つ目が、市民の皆さんが気軽に相談を寄せられる場を設けたいということです。コロナ禍の影響を受け、生活が困窮している方が市役所に支援の相談に行くのは、現実にはまだハードルが高いのではないかと思います。たとえば生活保護の申請にしても、やはり周囲の目が気になると思います。市役所の窓口ではなく、もう少し気軽に相談できる、気兼ねなく立ち寄れる場所があれば、市民の皆さんも声を発しやすいのではないかと考えています。

 そして3つ目ですが、私自身子を持つ親として、不登校問題に新しい解決策を見出せないかと考えています。糸島では、豊かな自然に囲まれた古民家をフリースクールとして活用しているケースもあり、多様な場の提供が行われています。ここに、既存の学校でも行える取り組みを合わせることで、すべての子どもたちに学びの機会を与えていければと考えています。愛知県の事例ですが、中学校の空き教室を利用した校内フリースクールという取り組みは、糸島でも十分可能だと思います。

 私自身、最近になって食べたら体調を崩す食材があることに気がつき、今までの体調の悪さは「あれはアレルギー反応だったのか」と気づかされたことがありました。そういう立場になったときに初めて、みんなと一緒に生活することの難しさを知りました。学校生活でも少数派の子どもたちがストレスなく過ごせるようにできればと考えます。

 4つ目は、最初に述べたように、市の予算に関するチェック機能の役割を担っていくことです。

 九州大学伊都キャンパスの誕生以降は、留学生など外国人の方も増えています。老若男女、新旧住民など分け隔てなく、誰もが暮らしやすい糸島の実現に向けて、もう一度力を発揮させていただければと思います。

<プロフィール>
高橋 徹郎
(たかはし・てつろう)
1967年生まれ。九州芸術工科大学芸術工学部工業設計学科卒。2003年から糸島に居住し、雷山小学校PTA会長や「糸島三都110キロウォーク実行委員長」などを務め、14年から糸島市議会議員として活動。18年1月、糸島市長選挙に挑戦。以降、執筆活動など多岐にわたり活動を展開している。

【代 源太朗】

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