【経済事件簿】投資セミナーに利用されたのか 中間市とBGS プロジェクト(2)
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コロナ禍に揺れた 2021年、度重なる陽性者数の増減に対し先行きに不安を覚えた人も数多くいるだろう。先行きへの不安・不満が漂えば、より活発化するのが“いい話”を盛り込んだ投資話。昨年、派手な演出と PR からひと際注目された投資事業がある。半沢龍之介氏による BGS プロジェクトだ。半沢氏は 21 年 4 月 21 日、福岡県中間市の一日市長に就任。
一般人向けに行われた投資セミナーでは、半沢氏への信頼の証としてその様子が PR されていた。半沢龍之介氏とは?
今回のBGSプロジェクトを語る上で、Click Holdings(株)の代表取締役社長を務める半沢龍之介氏の存在は欠かせない。詳細は次回お伝えするが、投資セミナーではしきりに半沢氏の“実績”と“信頼”について語られている。
半沢氏は1978年生まれ、中国・武漢出身で21歳の時に来日した。日本の大学院に進学し、修士課程を修了。2016年に日本に帰化している。半沢氏は「荒野行動」「放置少女」「TikTok」など日本でヒットしているスマートフォン用アプリを国内で広めた総合プロデューサーとして活躍したというが、真偽のほどは定かではない。
また、事業の一環として、タレントのデヴィ夫人、神田うのさんをコーラスに迎え、歌手「HANSUKE」として歌手デビューを果たしている。半沢氏はBGS投資事業を開始してから、急激にインターネット、メディアへの露出が増えているが、それ以前についての情報はほとんど表に出てきていない。NTTデータ(東京都江藤区)の関連会社であるNTTメディアでシステムエンジニアの勤務歴があるとしているが、同社広報に確認したところ「ノーコメント」だった。
一体、彼は何者なのだろうか、本当にそれほどの実績があるのだろうか。投資セミナーを受けて、そう感じた人は少なくないだろう。
曲者ぞろいのセミナー講演者
個人投資家などに向けた投資事業において、非常に重要な役割を担うのがセミナーの講演者だ。彼らのプレゼン次第で資金が集まるかどうかが決まるといっても過言ではないからだ。
BGSプロジェクトは全国各地でセミナーを行ったが、歌手活動なのか、財界人へのコネクションを広げるためなのか、半沢氏は基本的に講演をしていない。主に関係者が講演したのだが、その講演者と言うのが、なかなかの曲者ぞろいだった。
東京を中心にセミナーを行っていたIは20代後半の男性、関西の大学の大学院卒で元アメフト部。Iは半沢氏の側近の1人と思われる。長身と甘いマスクをもち、軽快な口調で講演するIはセミナーに参加した高齢女性のウケが良かった。
また、Iは富裕層をターゲットにした女性参加費無料のパーティーなどを開催していたという情報も入っている。容姿端麗な女性の紹介をしながら投資や仮想通貨事業への勧誘を行っていたものと思われる。
関西を中心に講演を行っていたA。Aは60代男性で元・テキシアジャパンホールディングス(以下、テキシア)元幹部だ。テキシアは配当を約束して現金を預かったとして、出資法違反罪に問われた投資コンサルティング会社。同社は1万人を超える顧客から計約450億円を違法に集めたとされる。名古屋地裁は19年11月、Aに懲役2年、執行猶予4年、罰金100万円(求刑懲役2年、罰金100万円)の判決を言い渡した。
関係者によれば、後述するGの紹介によってBGSセミナーの講師陣営として活動をしているのではないか、ということだ。
Gはセミナーの講演者ではないが、BGS投資事業のスキーム発案者とされる人物で、基本的に表には出てこない。そのため表立った実績、犯罪歴は出てこないが、ネット上などでは大規模なマルチ商法に関連しているという噂が後を絶えない。
ある弁護士のもとに寄せられた内部告発では、本事業の取り締まりを行っているのはGという情報が入っている。半沢氏が表に出る役割を担い、Gが事業を牛耳っているのである。BGSプロジェクトにはこのような「勧誘のプロ」が勢ぞろいしており、まさしく曲者ぞろいの状況だ。
(つづく)
【特別取材班】
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