【長崎県知事選】新人・大石氏当選 長崎IRへの影響は
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全国最年少知事誕生
長崎県知事選挙の投開票が20日行われ、医師で元厚労官僚の大石賢吾氏(39)が4期目を目指す中村法道氏(71)に大接戦の末、競り勝ち、初当選した。大石氏は現職の知事としては全国最年少となる。投票率は47.83%(前回36.03%)だった。
激戦を終えて注目されるのが、ハウステンボス(佐世保市)へのIR誘致だ。ハウステンボスを運営するハウステンボス(株)はコロナ禍の影響により集客に大苦戦。緊急事態宣言の発令による56日間にもおよぶ休園や、外出自粛などの影響を受けて、入場者数は138万6,000人と前年同期比で約半分にまで減少した(19年9月期は254万7,000人)。
また、20年9月期は売上高が113億2,200万円と半減(19年9月期は236億3,800万円)。営業赤字19億9,800万円、最終赤字24億3,800万円で同社が(株)エイチ・アイ・エス(HIS)の子会社となってから初めての赤字決算となった。そして直近の21年9月期の入場者数も127万7,000人にとどまり、売上高は114億4,000万円、営業赤字28億100万円、最終赤字21億4,600万円と2期連続の赤字決算を余儀なくされている。
また、親会社のHISにもコロナ禍が直撃。20年10月期の売上高は4,302億8,400万円(前期比46.8%減)、最終赤字は250億3,700万円だった。昨年12月には連結子会社2社((株)ミキ・ツーリスト、(株)ジャパンホリデートラベル)によるGoToトラベル給付金の不正受給が発覚。さらに21年10月期は、売上高は1,185億6,300万円(前年同期比72.4%減)、最終赤字500億5,000万円と、さらに業績が悪化している。
「長崎IR」計画の行方は
「福岡IR特別連載」では長崎IRの実現可能性について検証を続けてきたが、現状ではかなり困難だと言わざるをえない。長崎IRの計画では年間集客計画840万人を掲げているが、後背地人口が少ない長崎では、まさに「絵にかいた餅」で、国内外の著名なアナリストによると年間300万人が限界だと分析されている。
長崎県政界や経済界では、長崎IR誘致がきっかけとなってハウステンボスが世界的な観光拠点となり、再浮上の起爆剤になると期待する声がいまだ根強い。県知事選での中村氏の敗北が長崎IR誘致にどう影響するか、今後の動向が注目される。
【データ・マックス 編集部】
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