〜高尚な生活こそが高尚な人生である〜津田梅子の言葉
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明治・大正期の女子教育家、津田梅子(1864〜1929)は津田仙の次女として、江戸、現在の新宿に生まれる。
わずか6歳で日本女性として初めて留学し、ラテン語、フランス語などの語学や英文学のほか、自然科学や心理学、芸術などを学び、17歳で卒業して帰国。
24歳で再び渡米。ブリンマー大学に入学し、生物学を専攻。また、オズウィゴー師範学校にて教授法を学ぶ。1900年に女子英学塾、のちの津田塾大学を創立。日本の女子教育のパイオニアとなる。合計15年におよぶアメリカ留学から、女性の自立の重要性を痛感、その人づくりに生涯をささげる。塾経営の基礎が整うと54歳で塾長を辞任。鎌倉の別荘で長期の闘病後、1929年、脳出血のために死去。64年の生涯を閉じた。ヘレン・ケラーやナイチンゲールなどとも親交のあったグローバルな生涯であった。
未来はすべて自分自身の手中にある。
人生航路は未知であるがゆえに希望と忍耐の道でもある。明確なのは1人で立ち向かわなければならないという事実だ。人生はさまざまな戦いの連続であり、戦えば負けるかもしれない。だが、戦わなければ勝利はない。私たちの尊い命。ただ一度だけの厳粛な人生。それぞれの試練と課題。すべては私たち自身にかかっている。勇猛果敢に挑み前進せよ。そうすれば大抵うまくいく。自分以外に自分自身を救える者はいないのだ。右顧左眄することなく、行動せよ。あなたの心に1点の曇りもなければ、おそらく神もあなたとともに動いてくれるだろう。
私たちはあらゆる面において家族や社会に守られ育てられて大きくなった。だが、これから先の未来はすべて自分自身の手中にある。自分がいったい何者であるかを知ることを放棄し、目的や信念をもたずにただ漫然と生きるとしたら、それは恐るべき悲劇である。
人生の迷路で思いがけず遭遇する書物は貴重な導きになる。書物のなかで語りかけてくる人類の教師たちの声なき言霊は求めさえすれば、自分の血となり肉となる。自分にとって望ましい条件や恵まれた環境よりも、とことん学ぶ強固な意志、決心して断行する勇気に勝るものはない。何かを始めることはさほど難しくはないが、それを継続することは容易くはない。ましてや成功させるとなると困難は必定。僅かな協力者と徒党を組んで闊歩するのではなく、高邁な志と透明な熱意を胸に秘め、より多くの人々の共感を得るための努力を惜しまなければ、いかなる弱者であろうとも必ずことを成し遂げることができる。
高尚な生活こそが高尚な人生である。
国の将来を担う子どもたちを育成するために教鞭をとるにせよ、あるべき理想の国家を目指して政治家になるのであれ、公益のために事業をするのであれ、あるいは家庭を守る主婦になるのであれ、どのような方面の仕事をしようとも、虚妄や低俗な意識から離れ、高尚な生活を送るように努力を惜しんではならない。なぜなら、高尚な生活こそが高尚な人生だからである。日本の古い時代の狭量さ、偏屈さを自分のなかから追放し、自由と知性の溢れる新しい世界を求めつつも日本の伝統として伝えられてきたすぐれたものはすべて大切に保持する必要がある。真理は私たちの誰の魂のなかにも闇を照らす明りを灯す。私たちのそれぞれ1人ひとりが光を見る目、永遠の真理を知る洞察力、深い憐れみと優しい慈愛に満ちた真心を育む必要がある。私たち自身が拒みさえしなければ、真理の光は私たちの浅薄な知識、卑しい虚栄心、狭量な利己心、底意地の悪い嫉妬心などを照らし出し、私たちに他人のなかにあるすばらしい可能性や才能を見出すことを促してくれる。地上の幸福は他人の価値を認めることから始まる。
<プロフィール>
劇団エーテル主宰・画家
中島 淳一(なかしま・じゅんいち)
TEL:092-883-8249
FAX:092-882-3943
URL:http://junichi-n.jp/関連キーワード
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