韓国で新規感染爆増、5人に1人が感染(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏衝撃的な新規感染者数の増加
感染力の強いオミクロン株の流行で2月から感染者が世界的に増え始めているなか、韓国では毎日数十万人の新規感染者が確認されており、その増加ぶりは世界でも最高レベルだ。韓国政府は25日の新型コロナウイルスの新規感染者数が33万9,514人に上ったと発表した。
累計感染者数は1,116万2,232人で、1,000万人を大幅に突破した。人口約5,170万人の韓国で、20%以上の人が感染した計算となる。2月上旬には累計感染者数は100万人ほどであったが、その後オミクロン株の拡散が急激に進み、約1カ月半で10倍に達したことになる。
重症患者数は8日以降、1,000人以上で推移しているが、来月には2,000人の大台に乗る可能性があるという。重症患者の病床稼働率は65.6%で、2,825病床のうち1,854病床が使用中である。24日の死亡者数は393人で、1日の死亡者数としては最多となった前日の469人と比べると76人減少したが、高い水準にある。24日までの累計死亡者数は1万4,924人で、累計致死率は0.13%である。
2カ月近く続くオミクロン株の流行で、韓国では新規感染者数が爆増してきたが、今週に入りピークを過ぎた感がある。今週の新規感染者数は先週から5万人ほど減少している。しかし韓国政府は、新規感染者数がこのまま減少を続けるのか、それとも再拡大するのか、もう少し様子を見る必要があるとしている。
なぜ、このような事態になったのか?
韓国政府は過去2年間、営業時間の制限など厳しい防疫体制を取ってきた。だが、今年2月からは、専門家から批判が出ているにもかかわらず、防疫対策の緩和を進め、新規感染者数が爆増するようになった現在では、これと言った対策も打ち立てず、お手上げ状態となっている。
オミクロン株は「風邪の症状と似ていて、感染しても大したことにはならない」という認識が政府主導で急速に広がり、緊張が緩んだ結果である。また、韓国政府は自国の防疫対策に対する世界的な評価に酔いしれ、選挙前ということもあり、規制を緩和したことが原因だろう。
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SWIFT排除のロシア 事実上のデフォルト(前)韓国で新規感染者が爆増した理由を整理してみよう。1つ目には、政府の規制により蓄積された疲労感と、与党の選挙対策が挙げられる。
韓国では新型コロナが発生して以来、過去2年間にわたってソーシャルディスタンスの確保を続けてきた。マスク着用はもちろん、私的な集まりや行事の人数制限、各種事業場の営業時間の制限などを厳しく行ってきた。しかし、その期間が数カ月ではなく数年におよぶと、国民の間で不満が溜まってきた。加えて、営業活動の制限で飲食店などの自営業者は、破産の危機に追い込まれていた。
ちょうど大統領選挙も控えていて、これ以上国民の不満が募ると、与党は選挙に不利になると予想された。このため、これ以上ソーシャルディスタンスを維持することはできなくなり、感染力の高いオミクロン株に対する専門家の警告にもかかわらず、2月以降、飲食店の営業時間延長など防疫対策の緩和を進めてきた。
私的な集まりの人数は6人から8人に、飲食店やカフェなどの営業時間は午後11時まで延長された。このような緩和策が感染者の増加の原因となっている。
(つづく)
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