スリランカ 破産表明 ロシアに支援を要請
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スリランカが5日、国家としての破産を表明した。ウィクラマシンハ首相が同日、金融支援を得るために続けているIMFとの交渉の現状について議会に説明を行い、「これまで発展途上国として議論を重ねてきたが、現在は破産した国として交渉に参加しているため、以前よりも困難で複雑になる」と述べたのだ。スリランカのラジャパクサ大統領はロシアのプーチン大統領に対して燃料提供などの支援を要請した。
スリランカの2021年の1人あたりGDPは3,815米ドル(スリランカ中銀)、南アジア地域ではモルディブに次ぐ水準であり、貧困国というわけではない。ただ、20年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、外貨不足に陥り、それが経済に大きな影響をもたらしたかたちだ。同国は風光明媚で観光業が主要産業の1つであったが、20年以降のコロナ禍で、観光業およびもう1つの主要な外貨収入源である海外労働者送金が激減、外貨準備高は減少の一途をたどっていた。
今年に入り、外貨が尽き、ガソリンなどの燃料の輸入に支障をきたすようになったことから、今年2月から計画停電を実施。生産活動にも大きな影響がおよび、品不足・物価高騰という事態に見舞われている。こうした状況に市民の不満が爆発、3月31日に首都コロンボで抗議デモが発生したのを受け、政府は翌4月1日、全土で非常事態宣言を発出する事態に追い込まれるなど、苦境が続いていた。
【茅野 雅弘】
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