2024年12月26日( 木 )

【大胆予測】故安倍元首相の後継者は「昭恵夫人」

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 安倍晋三元首相は8日午前11時半ごろ、奈良市内の路上で演説中に、背後から男に銃撃され、緊急搬送された奈良県立医科大付属病院で同日午後5時3分に死亡が確認された。凶弾に倒れ、非業の死を遂げた安倍元首相に対し、心から哀悼の意を表したい。

安倍元首相の山口選挙区の後継問題を検証する。

【表1】は昨年10月19日公示、10月31日に投開票された第49回衆議院選挙における、山口選挙区の結果である。
◆山口1区の人口は440,619人(国勢調査2020年10月1日実施)。当選者は自民党の高村正大氏(51歳)。2世議員(当選2回)。
・山口2区の人口は315,180人。当選者は自民党の岸信夫氏(63歳)。岸田内閣の防衛大臣。安倍晋三元首相の実弟(岸家の養子)で3世議員(当選4回)。
・山口3区の人口は298,690人。当選者は自民党の林芳正氏(61歳)。河村健夫氏の引退を受けて参議院議員から転戦し初当選。現在岸田内閣の外務大臣。2世議員(当選1回)。
・山口4区の人口は287,570人。当選者は8日に亡くなった安倍晋三氏(67歳没)。3世議員(当選10回)。

【表1】山口県の従来の衆議院選挙区(4区)
【表1】山口県の従来の衆議院選挙区(4区)

安倍元首相の後継者は?

◆安倍元首相と昭恵夫人の間には子どもがおらず、直系の後継者はいない。安倍家は長男・寛信氏(三菱商事パッケージング元社長)。次男は晋三氏。そして生まれてすぐ母親の洋子さんの実家である岸家の養子になった三男で現・防衛相の岸信夫氏の3兄弟。

・【表2】の通り、安倍元首相の後継者の筆頭候補として、兄・寛信氏の長男である寛人氏の存在が挙げられるが、叔父の弔い合戦に参加する意思は今のところないものとみられている。
・2番手は岸防衛相の長男・信千世氏。
・3番手は岸防衛相の次男・岸智弘氏。
・4番手は安倍元首相の妻・安倍昭恵氏。

【表2】安倍前総理後継者について
【表2】安倍前総理後継者について

◆しかし岸信夫岸防衛相は体調が悪く、車椅子を使用している状況であり、子息の信千世氏・智弘氏が安倍元首相の後継者として名乗りを上げる状況ではないとみられている。このままでは安倍家の後継者が消えることになってしまうため、地元からは、妻の昭恵夫人の「立候補待望論」が急浮上している。かつては、急死した中川昭一氏の後を継いで、妻の中川郁子氏が出馬した前例もあり、昭恵氏も応じるものと予想される。

<まとめ>
◆政府の審議会が岸田総理大臣に勧告した衆議院小選挙区の区割りの改定案で、山口県は次回の選挙から、選挙区が4から1つ減り、3選挙区で実施される予定である。現在、A案とB案が提示されているがA案を説明していく。
【表1】は山口4区の選挙区であり、【表3】は次回選挙から実施される新3区の選挙区である。
◆林芳正議員は山口3区の衆議院議員。出身は下関市。選挙地盤の萩市・美祢市・山陽小野田市・阿武郡阿武町は新3区に編入される予定である。
◆公職選挙法に基づき、国政選挙の補選は4月、10月の第4日曜日に実施される。安倍元首相は7月8日に死去。9月15日までに欠員が出たため10月23日に実施されることになるが、「1票の格差」をめぐる訴訟が最高裁で行われているため、判決が確定するまで実施できない。そのため、来年3月15日までに判決が出れば、同年4月23日に行われる。
 来年4月は統一地方選挙が実施されることになっており、最高裁も国政・地方選挙を実施できるような判断を求められることになりそうだ。
◆下関市では故安倍元首相の人気が高い。新3区での衆議院選挙前に判決が確定し、妻の昭恵夫人(60歳)が夫の弔い合戦に立候補するようなことになれば、4区は安倍一族が後継者となる。次回の衆議院選挙までには時間がある。新3区では昭恵夫人は立候補せず、安倍寛人氏を説得するか岸信千世氏を養子に迎え安倍家の存続を図るものと予想される。
◆次期総理候補の筆頭と目される林芳正外相は3区選出。外相として議員辞職し「地元4区に立候補して地盤を固めることができない」という、ジレンマに直面しているようだ。

【表3】山口県の新衆議院選挙区(3区) における自民党予定候補者
【表3】山口県の新衆議院選挙区(3区) における自民党予定候補者
右:今までの4選挙区
左:次回の衆議院選から3選挙区
弔問客が絶えない下関市の安倍晋三事務所
弔問客が絶えない下関市の安倍晋三事務所

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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