中国 ベランダ菜園の市場規模が2,000億円に(後)
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育種市場に新たな可能性を切り拓く
ベランダ菜園がECプラットフォームで「新たな100億元市場」を形成したことは、現代の消費における新たな変化であり、従来の種や農具など農業資本市場にチャンスをもたらすことになった。
ベランダ菜園市場では、種に対するニーズが非常に多様になっている。トマトの種を例にすると、「トマトのブラインドボックス」1袋を買えば、スウィートミリオン、黒トマトの黒丸くん、ミレニアルフルーツ、ドイツ系ハート型ミニトマト、サンライズバンブルビートマト、チョコレートチェリーなど20~30品種を育てられるという具合だ。
江蘇省農業科学院野菜研究所の衛平副所長は、「農業+EC融合の趣味市場は、育種に多くの可能性をもたらした。ベランダ菜園の果物や野菜の種に関しては、速成か、観賞に向いているか、病虫害に強いか、品種は何かが、種を選び、育てるときの重要な基準だ。そのため現在、ベランダ菜園で背が低いトマトを育てるときには、大規模農地の口あたりの良いトマトの遺伝子を組み込んで、大規模農地で育てる品種とベランダで育てる品種の間で交配を行う研究もしている」と述べた。
ポストコロナ時代、野菜栽培が新たな社交チャンネルに
ECプラットフォームもベランダ菜園の業態の育成に全力を挙げている。天猫(Tmall)、淘宝はこれからも家庭での栽培環境に適した野菜の品種を引き続き導入し、より見た目がよく、実用的で、スマートなガーデニンググッズを開発し、複数のチャンネルで「シティ・ファーマー」の野菜づくりの全サイクルに関するワンストップ式のマッチングサービス・攻略法を提供し、育種成果である品種の知的財産権の保護も行っていくという。
中国農業大学国家農業市場研究センターの韓一軍センター長は、「現在のベランダ菜園の急速な発展トレンドは、主に中国経済社会の発展段階と特徴によって決定づけられたことだ。中国は昨年の1人あたり国内総生産(GDP)が1万2,000ドルを越え、すでに高中所得国の仲間入りをしている。経済の法則に従えば、消費は絶えず高度化することになる。その主な特徴の1つは、消費の新たなニーズが急速に拡大することだ。ベランダ菜園は若者の新しい生活消費スタイルにおけるニーズにぴたりとはまった」と述べた。
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アマゾンの創業社長ジェフ・ベゾス氏が全米の土地を買い漁るワケは?SNSに最近育てている大きなトマトの写真をアップし、グループ内で種を交換し、栽培のポイントの情報を交換する……。こうした野菜づくりでつながった人々が新たな社交のチャンネルを切り拓き、ショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」や「小紅書」で人と経験を共有する。こうしたことが新たなトレンドになり、ベランダ菜園により多くの社交的価値を与えることにもなった。
従来のキャンプやスケートボード、グラフィティアートのほか、ベランダ菜園も今や若者のライフスタイルの1つになっている。
(了)
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