2024年12月23日( 月 )

中国 ベランダ菜園の市場規模が2,000億円に(前)

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ベランダ菜園 イメージ    新型コロナウイルス感染症のなか、「野菜栽培経済」が予想外のブームになっている。ますます多くの「シティ・ファーマー」が野菜づくりの仲間に加わり、ベランダに菜園をつくり出している。ベランダ菜園は日頃のストレスを解消できるだけでなく、成果を食卓に上らせることもできる。

 実際には新型コロナウイルス感染症が発生する前から、ベランダ菜園はブームだった。野菜づくりをめぐり、種、土壌、ノウハウ伝授、情報共有などを網羅する複雑な産業チェーンが形成されていた。統計によると、中国国内のベランダ菜園産業の市場規模は100億元(約2,000億円)に達するという。

「シティ・ファーマー」が静かなブーム

 統計によれば、現在のベランダ菜園の消費者は、一線都市、二線都市、三線都市の人が70%以上を占め、そのうち上海、東莞、北京、蘇州、杭州がベランダ菜園を最も好む上位5都市だ。年代では「85後(1985年から1989年生まれ)」と「95後(1995年から1999年生まれ)」が多い。

 どの野菜を育てるかを決めるとき、すぐに育つ、背が低い、病気に強い、見た目のよい野菜を好む人が多い。ショート動画アプリ「快手」が発表したベランダ菜園業界図鑑によれば、最も人気がある野菜はスプラウト類で、キュウリとニラの人気も高い。果物の人気ベスト3はイチゴ、スイカ、トマトだ。気候の違いにより、南方と北方では「快手」ユーザーの好みに違いがあり、北ではトマトが最も好まれ、南ではカボチャがとくに好まれる。

ベランダ菜園はなぜ人気なのか?

 若い人が熱心に野菜づくりをするようになった原因としては、インターネットによる牽引の功績が欠かせない。ソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書」で「ベランダ菜園」を検索すると、野菜づくりの知識、攻略法、ツールに関する文章が6万本以上ある。新浪微博(ウェイボー)では「ベランダ菜園」の関連ページの閲覧数が7,300万回を超える。

 ベランダ菜園をする人は昔の自給自足の生活スタイルに戻りたいわけではなく、ベランダに「桃源郷」をつくって暮らしを少しだけ「グレードアップ」しようとしている。育てるのが楽しい、新鮮さを味わいたいという人もいれば、ベランダで育つ野菜の鑑賞的価値と実用的価値を重んじる人もおり、子どもに働くことの大切さや科学の知識を教えたいという人、野菜づくりを通して暮らしのなかのストレスを解消し、イライラを緩和したいという人もいる。それぞれ出発点は異なるが、実際に行動を起こしてベランダでの野菜づくりにエネルギーを注いでいる点はみんな同じだ。

「シティ・ファーマー」ブームが新たなビジネスチャンスを生む

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 「淘宝」(タオバオ)のプラットフォームでは、この趣味偏向型経済の市場が、今や新たな100億元市場を形成し、野菜づくりの全サイクルをカバーしており、これには野菜・果物の種、鉢・プランター、培養土、肥料、ガーデニングツールなどが含まれる。今年第1四半期(1~3月)には、同プラットフォームで各種の野菜の種の売上が前年同期比100%以上増加し、コリアンダー、ニラ、唐辛子、トマトの種が最もよく売れた。淘宝では春の農作業シーズンに、大量のガーデニングツールがネットで人気が出て、虫取りシートの売上高は同53%増加した。

 ベランダ菜園が流行するにつれ、ECプラットフォームでもたくさんの新しいブランドやビジネスチャンスが誕生した。今や淘宝や京東などのECプラットフォームで「ベランダ菜園」と検索すると、多くの農業用品店や、種、肥料、用具、スマート栽培機など産業チェーン全体にまたがるさまざまな商品がヒットする。

(つづく)


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