ビジネスの土台となる信頼関係を構築 福岡を盛り上げる主導者を創出へ

福商ビジネス俱楽部

毎月の例会で人脈を形成

　福商ビジネス倶楽部は、主に人脈形成を目的として2004年に設立された。福岡商工会議所会員の若手経営者をはじめ、企業経営の後継者、事業所勤務者、起業希望者など幅広いビジネスパーソンを対象としたメンバーシップ制を敷き、交流会や講演会を催している。

　現在、（株）ネオ倶楽部の和﨑賢太郎氏、不動産日和の宮本光太郎氏、ちとせ労務管理事務所の淵上洋平氏の3名の代表幹事と、9名の幹事を筆頭に、合計113名の会員で構成している。参加資格は、福岡商工会議所の会員で、20歳以上45歳以下のビジネスパーソン（経営者、後継者、会社員、起業志望者など）。会員は、月に1度開かれる名刺交換会などの交流会や、起業家や起業支援の専門家などが講師を務める講演会を中心とした「例会」に参加できる。入会前に体験したい場合は、ゲストとして例会に2度まで参加できるため、入会後に「合わなかった」と後悔するリスクも小さい。

　過去に開かれた例会には、趣味や好きなものをきっかけに人脈づくりを行う「あなたの“スキ”で交流会」「福岡のスター山本カヨさんに学ぶ！“ばり”好かれるトークスキル&ブランディングUP講座」などがある。例会を通して、ビジネスに必要な人脈形成を目的とした「異業種交流」、幅広い分野のセミナーや勉強会による「自己研鑽」、自社商品・技術のPRによる「ビジネスチャンスの創出」の場を提供している。

　例会の企画は幹事や福岡商工会議所の職員に委ねられるが、会員からの応募も受け付けている。採用されれば、要望に沿った講演会を開催するなど、会員のアイデアをかたちにした例会で人脈形成の機会が設けられるという点も魅力だ。

　また、例会では毎回、希望する企業による「企業PR」（1社3分間）の時間も設けられている。1度の例会ですべての参加者と話し、自社について知ってもらうのは難しいが、映像や商品を使用した「企業PR」によって参加者に自社の事業を周知できて、その後の円滑なコミュニケーションも可能となる。

信頼の構築がビジネスへとつながる

　福商ビジネス俱楽部の利用者からは、「ビジネスパーソンとしてだけでなく、1個人としての交流も可能であるため、良い刺激を受けて自身の成長につながると思った。例会の企画や運営に参加することで会員間の信頼関係が生まれ、心から信頼して仕事の受発注ができる仲間ができたことは大きな財産」「コロナ禍でほとんど知り合いがいない状況のなかで起業したことに不安を感じていたが、福商ビジネス倶楽部の例会に参加するたびにさまざまな方に声をかけていただく機会が増えた。このアットホームな雰囲気に惹かれ入会し、実際に当社のサービスを提供する機会や、知り合いを紹介いただける関係性を築くことができた。これからの活動も楽しみ」（福岡商工会議所NEWS 7月号より）という声が聞かれる。

　和﨑氏は、「福商ビジネス倶楽部はビジネスマッチングのみに注力したお堅いものではなく、みんなで楽しんで会を盛り上げていこうという集まりです。『これではビジネスにならない』と話される方もいらっしゃいますが、ビジネスは信頼関係を構築したうえで成り立つものであると思います。ただ名刺を交換するだけで取引関係ができるものではありません。互いが互いを知る機会を増やし、信用し合えるような関係になることが理想の在り方だと思います」と話す。

ビジクラ起点に福岡全体を盛り上げていく

　21年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面での例会の自粛を余儀なくされ、その間はZoomを利用したオンラインによる例会が行われた。現在は対面での例会に戻りつつあり、コロナ禍中に整備されたオンライン参加も可能で、7月の例会では北海道からの参加も見られた。しかし、コロナ禍を経て会員数はわずかながら減少してしまったという。

　「私たち幹部が会員全体で楽しめるように促し、徐々に会員外も巻き込んでいけるように企画を考えていきます。福岡商工会議所のバックアップもありますので、まずは気軽にゲストから参加していただければと思います」（和﨑氏）。

　福商ビジネス倶楽部に所属する会員が交流の場を通して高め合い、ひいては福岡全体を盛り上げる主導者となることに期待したい。

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【立野　夏海】

▼関連リンク
福岡商工会議所HP「福商ビジネス倶楽部」