韓国経済ウォッチ~韓国の造船受注量、世界首位に返り咲く
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
韓国の1~3月造船受注量が日本、中国を抜いて世界一となったと連合ニュースは報道した。
世界の造船市場は、世界の経済低迷と原油安によるエネルギー関連の船舶の需要の減少などで、規模が大幅に縮小しつつあるなか、第一四半期の世界の船舶発注量は、562万CGT(標準貨物船換算トン数、Compensated Gross Tonnage)で、前年同期の1,619万CGTに比べ、3分の1に大幅縮小している。
そのようななかで、韓国は231万CGT(60隻)を受注し、162万CGT(34隻)を受注した日本と、135CGT万(79隻)を受注した中国を抜いて世界一になった。2015年第一四半期の世界造船市場の市場シェアは韓国41%、日本28.9%、中国24%になっている。
韓国が世界首位に返り咲いたのは、2012年に222万CGTで世界一になってから3年ぶりのことである。
今回2位になった日本は2015年1月に、月間ベースの受注量で世界一になった。日本は円安効果と造船会社の構造調整、高い技術力をベースに造船王国への復帰を狙っている。
それに比べて、中国は主力であるバルク船の市況が悪化して、造船会社の苦戦が強いられている。中国の低価格攻勢に押されつつあった韓国造船業界だったが、最近は大宇海洋造船が超大型コンテナー船を11隻を18億ドルで受注するなど大口の受注が相次いでいる。
ハノカル、韓国政府相手に第2のISD提訴
アブダビ政府が100%株式を所有している国際石油投資公社(IPIC)とその子会社ハノカルが韓国政府を相手取りISD提訴を起こしたことが明らかになった。韓国政府を相手取りISD条項に基づいて訴訟を起こしたのは、米ファンドローンスターについで2番目になる。
ISD条項とは、投資家と投資地域政府との紛争を解決するために定めた手続きのことである。ハノカルは、アラブ首長連邦国(UAE)の王族で、大富豪であるシェイク・マンスール氏が会長を務める会社で、オランダに所在しているペーパカンパニーである。マンスール会長は、イングランドプレミアリーグのマンチェスターシティ球団のオーナーでもあり、資産は200億ボンド(34兆ウォン)といわれているほどの大富豪である。
今回の提訴の背景は、1999年ハノカルは現代オイルバンクという韓国の石油会社の株式を50%取得した。しかし、ハノカルはその持ち株を2010年8月に現代重工業に1兆8,381億ウォンに売却することになる。その際、現代重工業は売却代金の10%に相当する1,838億ウォンを源泉徴収して、韓国国税庁に納めた後、残額だけをハノカルにお支払いした。
ハノカルはペーパカンパニーであるため投資保護協定の対象にならないという国税庁の判断を現代重工業は重視したのに対し、ハノカルでは、韓国・オランダ二重課税回避条約に基づいて源泉徴収した金額を払い戻すべきだという主張をしている。これを国際投資紛争センターの仲裁を求めたのである。韓国政府は今後タックスヘイブンにペーパカンパニーを設立した外国企業が韓国に投資をした場合このようなことはまた起こる可能性があると判断し、対応の準備に追われている。また、韓米FTA協定の際に、除去できなかった毒素条項の懸念が現実化するのでないかと一部では憂慮している。
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