2024年11月23日( 土 )

アイランドシティへの都市高延伸へ、定款変更承認めぐり質疑

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

20150526_007 開会中の福岡市議会6月議会では、約2億1,165万円の一般会計補正予算のほかに、アイランドシティへの都市高速道路延伸に向けて、同道路を建設・管理する「福岡北九州高速道路公社」の定款変更の議会承認議案が提出されている。22日の議案質疑で、同事業の採算性や事業費の市負担に対して質疑がかわされた。都市高延伸事業は、香椎浜からアイランドシティへの約2.5km、4車線の道路(福岡都市高速6号線)を整備する計画で、事業費は約250億円の見込み。比江嶋俊和福岡市議(共産)、荒木龍昇市議(緑とネット)が取り上げた。

 比江嶋市議は、福岡都市高速6号線の交通量について、「2030年時点で1日あたりの交通量が約2万台、そのうち新たに高速を利用する台数は3,000台」という市の見込みに対し、「何ら根拠がない」と批判した。

 また、約250億円の事業費負担について、市は「有料道路制度を基本として、この投資の範囲を超える部分については公共事業で整備する」と答えた。有料道路制度とは、利用者からの通行料金収入によって一定の期間内に返済することを前提として、道路公社が地方公共団体からの出資金のほか、国や銀行等からの借入金により必要な資金を調達し、高速道路を整備・管理する方式のこと。
 どこがどれだけの事業費を負担するのか問われた市は「公社など関係機関と協議を行っている」と答弁。比江嶋市議は「市に公社との討議資料を要求したが、持参せず中身を明らかにしない。採算性がないから協議がまとまらないのでは」と指摘し、「事業費250億円は利用料金だけでは回収できない」として白紙撤回と建設の中止を求めた。

 荒木市議は、福岡6号線の建設により、「天神・博多方面からアイランドシティまで約7分の時間短縮になる」との市の答弁に対し、「この程度に250億円。費用対効果としていかがなものか」と指摘し、「(福岡6号線の)建設で、その費用を償還する財源が生まれるとは考えられない」とした。
 また、福岡市の厳しい財政状況を取り上げ、「医療費や福祉の市民負担が増えている現状で、財政運営は市民生活を優先すべき。わずか7分の時間短縮の効果しかなく、必要性の乏しい人工島への接続道路に福岡市は多額の投資をすべきではない」と述べた。

 市は「福岡高速6号線は、福岡市東部地域の広域的な交通需要に的確に対応していく重要な道路と認識している」としている。定款変更は、福岡高速6号線を公社の道路整備基本計画に追加するもの。議会承認が得られれば、都市高速延伸(有料道路としての整備)へ向けて前進する。

 

関連記事