アビスパ、過密日程で健闘も課題あり
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アビスパ福岡が、2015明治安田生命J2リーグ第23節が終わった現在、10勝6敗7分で第6位。J1の昇格圏内にポジションをキープしている。
7月12日(日)、アウェーのケーズスタジアムで行われた水戸ホーリーホック戦の結果は、2-2の引き分けだった。試合は、前半18分にFW金森健志選手が先制点をあげた。後半73分にはMF中原秀人選手が2点目を決めて2-0となり、時間的にも優位な展開となり勝利はほぼ手中にしたかに見えた。しかし、ホーリーホックの反撃にあい、76分、79分にゴールを割らせてしまい、そのまま試合終了。
この試合のレフリングをめぐって、是非が議論されていたが、試合結果に対する言い訳にしてはならない。確かに「えぇ?」というジャッジもあるが、それも含めてフットボールというスポーツがある。もちろん、レフリングのレベルアップは当然必要だが、流れが重要なだけに、いちいちプレーを止めてビデオ判定しない。ミスジャッジに一喜一憂している暇などプロにはない。少々脱線したが、7月に入り4日(土)東京ヴェルディ戦、8日(水)ギラヴァンツ北九州戦、そして12日(日)の水戸ホーリーホック戦。フットボールの「中3日」「中4日」の試合は相当厳しいスケジュールである。しかも、その間、完全なオフなしでトレーニングが実施されるという過密なスケジュールのなかで、ホームで1勝、アウェーで2分、勝ち点5は健闘したと言っていいだろう。
プロ野球(1軍)と比較される場合があり、「プロ野球はペナントレースが140試合以上。日本シリーズまで戦うと150を超えるケースもある。Jリーグのサッカーとは心身の負担は雲泥の差。野球の方が大きい」と評する専門家が少なからず存在する。どちらの方か負担が大きいかどうかの詳細は、わからない。1つ言えることは、フットボールで1試合あたりの選手の走行距離平均は、ワールドクラスで約12~13km。平均11km台となっている。フットボールは、ただ単に走っているのではなくパス、ドリブル、ディフェンス、それらのプレーの準備におけるポジショニングなど、走りながらやるべきことが多様だ。しかも瞬時の判断力が要求される。それらを鑑みると、「プロ野球と比べて心身の負担は雲泥の差」とは、軽々しく言うことはできない。いろいろな検証があるが、アビスパの21~23節の戦いぶりを見て、さらに進化したと感じた。先制点をあげて、終始試合の主導権を握りながらのゲームマネジメントは高く評価できるのではないだろうか。
ただ、2試合続けての2失点は、大きな課題であろう。トップ10の中で27失点はワーストタイである。ディフェンスの再整備が急務である。まだまだ進化の余地がある。8月から、もう1つのビッグタイトル天皇杯の戦いも始まる。【河原 清明】
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